二口町|沖縄そばの本場の味。金沢で味わう「沖縄そば 山原(やんばる)」

二口町|沖縄そばの本場の味。金沢で味わう「沖縄そば 山原(やんばる)」

金沢市二口町。中央市場前の大通りを進むと、南国の植物とシーサーが迎えてくれる沖縄そばの本場の味が楽しめる空間があります。
そこは、2026年6月のオープン以来、多くのファンを魅了し続ける「沖縄そば 山原」さん。
沖縄の麺と出汁にこだわり、ラフテーやソーキを贅沢にトッピングした本場さながらの味わいと、店主の温かい人柄に惹かれる、今注目の名店の魅力をご紹介します。

1歩で南国、金沢に息づく本場の沖縄。「沖縄そば 山原(やんばる)」

お店前に「沖縄そば」の大きなのれん。入口から漂う沖縄の雰囲気

金沢市二口町。
中央市場前の信号を8号線に向かっていくと、左手の「金沢市公設花き地方卸売市場」の敷地内に「沖縄そば 山原」さんがあります。

お店の前には「沖縄そば」と書かれた大きな文字看板があり、初めて訪れる人でも一目でわかる目印になっています。

2026年6月のオープン以来、開店直後から行列ができるほどの超人気店です。

入口では南国の植物や可愛らしいシーサーたちがお出迎え。

沖縄の雰囲気をたっぷり感じられる素敵なインテリアが、訪れる人を温かく包み込んでくれます。

駐車場は「金沢市公設花き地方卸売市場」の敷地内であれば、どこでも利用可能です。


 

店内に入ったとたんに沖縄気分。本場の雰囲気を堪能

扉を開けると、そこには温もりあふれる空間が広がっています。
入口のレジ付近には、テイクアウト用の「さーたーあんだぎー」が並んでいます。
(※訪問時はすでに完売の人気ぶりです!)


店内にはカウンターが5席、テーブル席が14席用意されており、ゆったりと過ごせる造りになっています。
店内には心地よい沖縄音楽が流れ、足を踏み入れた瞬間にまるで本場の沖縄へとトリップしたかのような穏やかな雰囲気を楽しめます。

 

本場の味を再現!人気メニュー「山原そば」を実食

今回は「山原そば」に「ジューシーランチセット」をプラスしたイートインと、テイクアウトの「さーたーあんだぎー」をいただきました。

 

●山原そば 1,480円(税込)+ジューシーランチセット 500円(税込)
山原そば、沖縄の炊き込みご飯のクファジューシー、ゴーヤのお漬物、シークワーサーパンナコッタ、さんぴん茶がセットになった、沖縄料理の魅力が詰まった大満足のセットです!


「山原そば」は、出汁をひとくちすすると、あっさりしながらも豚肉と魚介の旨味が幾重にも広がり、しっかりとした味わいが楽しめます。
沖縄から取り寄せる平麺はもっちりとした食感。

そしてトッピングには贅沢にラフテーとソーキがのっています。
どちらの肉も、豚の肋骨周辺の赤身と脂身がきれいに三層になった三枚肉を使用。

ソーキは噛むとホロっと崩れる甘辛さが癖になり、ラフテーはとろとろの柔らかさ。
揚げたてサクサクのもずく天は出汁に浸して食べるのもまた違った味わい深さがあり、沖縄ではたくさんのお店で売られているなじみ深い料理だとか。
ほかにも磯の香りが豊かなもずくや、特製の薄焼き卵や揚げかまぼこなど、具だくさんで最後までワクワクが止まりません。

テーブルに置かれた「コーレーグース」や「ヒパーチ(島胡椒)」、「紅ショウガ(苦手な人はショウガ)」、粉末状の出汁などで、自分好みの味変を楽しむのもおすすめです。

筆者はコーレーグースと紅ショウガが好みでした。


「クファジューシー」は、そばのスープで炊き込まれたご飯。ソーキやラフテーの仕込みで出るお肉やシイタケ、ニンジンがゴロゴロと入っており、凝縮されたうま味がしっかり染み込んでいます。


「ゴーヤのお漬物」は、コリコリとした食感に、甘酸っぱさと後から追いかけてくるゴーヤの独特な苦みが絶妙。
箸休めにぴったりの1品。


「シークワーサーパンナコッタ」は、下の層のパンナコッタがクリーミーで甘い味わいとシークワーサーソースの爽やかな酸味が重なり合い、一緒に食べると美味しさがさらに引き立ちます。


「さんぴん茶」は、かぐわしい香りとほのかな甘みが広がり、口の中をすっきりとリセットしてくれます。

 

●さーたーあんだぎー(4個入) 500円(税込)

外はカリッと、中はしっかりとした噛み応え。
しつこくない上品な甘さで、おやつにもお土産にも最適です。

 

芳斉町から二口町へ移転!「沖縄そば 山原」の店主が歩んだ道のり

「沖縄そば 山原」の店主・大城さんにお話を伺いました。

─ まずお店の名前ですが、「山原」と書いて「やんばる」と読むのはなぜですか?

実は僕、沖縄出身なんです。


沖縄の名護市北部、山や山林などの自然が多く残る地域を「やんばる」
って言うんです。
「ヤンバルクイナ」という固有の鳥もその地域にしか生息していないので、そう呼ばれてるんですよ。
その地元への思いから、この名前をつけました。

─ お店を始めようと思ったきっかけは?

もともと料理は好きだったんですが、昔から音楽仲間と飲み歩くのも好きで「いつか自分たちのお店を持ちたい」という夢があったんです。
それなら「仲間が集まれる場所で、自分たちの好きな沖縄料理がいい」…そう思ったのが26歳の時でした。

元をたどれば、若い頃は沖縄でブレイクダンスに打ち込んでいました。
その後、スポーツ科学を学ぶために金沢の大学へ進学し、そこで栄養学の基礎も身につけました。
さらに専門学校で映像や音響などのクリエイティブな分野を学び、テレビ局(MRO)での勤務経験を経て、最終的に自分の原点である「飲食の道」へと進むことを決めたんです。

いくつかの飲食店を経験した後、行きつけだったお店に拾われ、1年修業を積んだのちに芳斉町で居酒屋「沖縄料理ヤンバル」を開業しました。

飲食店は10年続く店が少ないと言われる中、おかげさまで10年を達成。
ちょうど結婚や子どもの誕生もあり、「一区切りかな、辞めようかな」と考えていた矢先、現在のオーナーから声をかけてもらったんです。
それがきっかけで店舗を移転し、昼営業を中心とした現在のスタイル「沖縄そば 山原」へと生まれ変わりました。

─ 麺や出汁のこだわりはありますか?

「沖縄そば」と名乗るには、沖縄県内で製造された麺を使うことなど、いくつかの細かい定義があるんです。
だから、うちでは麺を沖縄から直接取り寄せています。


出汁に関しては、基本の豚肉を茹でたスープをベースに、豚骨や魚介の旨味を重ねています。
こってりとした濃厚さだけでなく、魚介を効かせて最後まであっさり美味しく味わえる工夫をしています。

─ お店をするにあたって嬉しかったことや苦労したことを教えてください。

嬉しかったのは、やはり今のオーナーに拾っていただいたことですね。
しっかりとした専門のプロに内装を手がけていただいたおかげで、前の店よりも規模が格段に大きくなりました。
それに伴って、1日の提供数も以前の居酒屋時代(10〜20食程度)から100食規模へと跳ね上がり、最初は未経験の忙しさに大苦戦しました。

ただ、最近はスタッフも増えてようやく余裕が持てるようになってきたところです。
今の大きな課題は「誰が作っても同じ味を出せるように技術をどう伝えるか」ですね。
前の店は1人で切り盛りしていたので味のブレはありませんでしたが、今はスタッフ育成が1番の踏ん張りどころです。

苦労したことで言えば、やっぱりスープやソーキ(豚の骨付き肉)の仕込みですかね。
大きな寸胴でスープを仕込むんですが、ちょうど40度前後は1番傷みやすい危険な温度帯なんです。
夏場なんかは大きな鍋を冷ますだけでも一苦労。
かといって強火だと香りが飛んでしまうので、弱火でじっくり8時間つきっきり。
ソーキも同様に7〜8時間かけ、少しの火加減の失敗で硬くなったり味が染み込まなくなったりするため、片時も目を離せません。

朝方まで仕込んでようやく家に帰り、また数時間後に朝の出勤…そんな日々も少なくありませんでした。

─ お店のおすすめや人気メニューを教えてください。

まずは定番の「ラフテーそば」と「ソーキそば」ですね。

あとは、野菜がたっぷり入って栄養満点の「チャンプルそば」。
これは沖縄では「沖縄ちゃんぽん」と呼ばれているスタイルのものです。

そして、1番の自慢であり人気なのが「山原そば」です。
ラフテーとソーキが1枚ずつ乗り、ねぎ、もずく、薄焼き卵、さらに沖縄ならではの揚げかまぼこやもずく天までトッピングされているので、いろんな味を1度に楽しみたい方には間違いなく喜ばれる1杯です。
これの具材がさらに2倍になった「ミックスそば」も用意しています。

─ お店で大切にしていることはなんですか?

北陸では、本場の沖縄の味をそのまま出している店がまだ少ないと感じています。
僕自身も、昔は沖縄の味が恋しくなるとわざわざ現地に帰っていたくらいですから。

だからこそ、沖縄出身の人が食べたときに「あ、これだ。本物の沖縄の味だ」と心から思ってもらえる料理をずっと作っていきたいんです。


定番だけでなく、揚げかまぼこのような少しマイナーで愛される沖縄の味も伝えていきたいですね。

ただ、伝統の味を守るだけではなく、新しい挑戦も忘れたくはありません。

例えば、ソーキをほぐして入れたりココナッツの風味を効かせた「沖縄カレー」のような、本質の軸から外れない範囲での新しい試みも現在考えています。

 

幸せを運ぶ、あたたかな「もう1つの故郷」へ

オープン間もなくして大人気を誇る「沖縄そば 山原」さん。
その理由は、本場の味はもちろん、店主・大城さんの多彩な経歴と温かな人柄にあります。
店内を包む心地よい沖縄音楽が実は大城さんの自作(歌唱はAI!)という遊び心に驚かされつつ、1番心を打たれたのは、時間を過ぎて訪れたお客様を笑顔で迎え入れる店主の姿でした。

美味しい沖縄そばと心に響く音楽、そして誰をもホッとさせる優しい笑顔。
ここには、誰もが「ただいま」と帰ってこられる、温かな「もう1つの故郷」がしっかりと根付いています。
自分を優しく甘やかす特別なひとときに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

INFORMATION

店名:

沖縄そば 山原(やんばる)

住所:

石川県金沢市二口町ニ80-1 金沢市公設花き地方卸売市場敷地内
(金沢市公設花き地方卸売市場敷地内に駐車可能)

営業時間:

11:00〜17:00(LO 16:00)
※売り切れ次第閉店

定休日:

日曜・月曜他
(Instagramにてご確認ください)

一人当たりの予算:

~¥1,500

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。

WRITTEN BY
みさき

みさき

ライター

はじめまして、みさきです。 金沢生まれ、金沢育ちで、現在は家事・育児に奮闘しながらフリーライターとして活動しています。 長年親しんできた金沢の街の移り変わりを眺める中で、新しく生まれるお店、そして長く愛され続けてきたお店それぞれに、その場所ならではの魅力があると感じてきました。 実際に足を運び、味わい、お店の方の想いや空気感も大切にしながら、 「行ってみたくなる」「応援したくなる」そんなお店との出会いをお届けできたらと思っています。