
金沢を代表する美術館のひとつ、金沢21世紀美術館。
観光で訪れる方々はもちろん、地元に暮らす私たちにとっても身近な場所です。
展示作品はもちろん、おしゃれな写真が撮れるスポット、市民に開かれたギャラリー、広々とした憩いの場など、見どころがいっぱい!
2004年の開館以来、20年以上愛され続ける美術館の魅力を改めてご紹介します。
目次
子どもから大人まで、現代アートを身近に楽しめる! 金沢21世紀美術館
ふらりと立ち寄れる、開かれた美術館
金沢21世紀美術館は、アクセスがとても便利です。
北鉄バス「広坂・21世紀美術館」バス停からすぐ。
地下に300台ほど入れる大きな駐車場があるので、車での訪問も安心です。(30分無料)
美術館へは、駐車場の地下1階からもアクセスできます。雨の日は助かりますね。
外観は、広々とした芝生にガラス張りの建物が印象的。緑と空と建物のコントラストがすてきです。
何度見てもおもしろい!展覧会ゾーン
建物は円形で、中も自由に回遊できる造りとなっています。迷路みたいでわくわく。
館内は、無料で楽しめる「交流ゾーン」と、チケットが必要な「展覧会ゾーン」に分かれています。
金沢21世紀美術館を代表する作品といえば、何といっても《スイミング・プール》でしょう。
レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》2004年
一見すると、普通のプールのよう。
でも、実は水の底から上を見上げることができる、不思議な体験型アートなんです。
水に入らなくても、プールの底が体験できちゃう!
下からは、上にいる人が見えます。
訪問時は雨模様で、ちょっと残念…と思っていましたが、地下部から見上げると雨の波紋がとても幻想的。晴れでも雨でも、その時々の表情が楽しめるんですね。
上からは、下にいる人が見えます。これは楽しい♪
こちらの展示、地下部を鑑賞する際は予約をしておくとスムーズです。入場当日の朝9:00から予約受付を開始しているそうですよ。
そしてもうひとつ、おすすめの映えスポットがこちら。
パトリック・ブラン《緑の橋》2004年
向こうに見える壁いっぱいの緑の植物。それを目指して歩くガラス張りの通路が美しい…!
この通路、普通に歩いても、途中で振り返っても、何をしても映える写真が撮れそうです。
雨の日は雨の日で、風情があります。
壁一面のアート!エネルギーを感じる展示
淺井裕介《大地の譜面 足音の音楽/今ここで土になる》2025年
こちらは市民ギャラリーの壁一面に描かれた作品。迫力満点!
大地に根ざす生命の力強さと豊かさが伝わってきます。
この作品は、石川県各地の土、震災の土砂、廃棄された木材の炭などを利用して、100人近いボランティアの方と共に制作されたそう。ぜひ、間近でそのエネルギーを感じてみてください。(展示は2025年9月28日(日)まで)
いつでも気軽に楽しめる!交流ゾーン
金沢21世紀美術館の交流ゾーンは、チケットがなくても自由に入場できます。
市民ギャラリーの壁画の向かいの窓から見えるのが《雲を測る男》。
ヤン・ファーブル《雲を測る男》 1998年
空に定規をかざして、本当に雲を測っているよう。
ぱっと見はユーモラスに見えますが、解説を読んでから見るとまた感じ方が変わってきます。
交流ゾーンで人気のフォトスポットがこちら。
ずらりと並んだラビットチェアです。うさぎの耳の形がとってもキュート!
自由に座れる椅子なので、工夫次第でユニークな写真が撮れそうです♪
ちなみに館内の大きな白い壁は人物写真を撮るのにおすすめ。
ガラス張りで自然の光が差し込むので、とてもきれいに撮れますよ!
外にも楽しい作品が。
フロリアン・クラール《アリーナのためのクランクフェルト・ナンバー3》2004年
広い芝生のあちこちに、地面から生えたラッパのような形をしたこの作品。
つい声を出してみたくなる不思議な魅力があります。
どこにつながっているんだろう?と考えながら声を出すと、あれ?誰かの声が聞こえる…?
見回してみると、遠くのラッパで誰かが同じようなことをしているみたい。
見知らぬ誰かと声でコミュニケーションをとる、楽しい体験ができますよ。
こちらは球体のパビリオン「まる」。
前に立つと自分の姿がたくさん映るので、おもしろ写真が撮れちゃいます。
ぜひ、いろいろ試してみてくださいね。
子どもも一緒に楽しめる施設やプログラム
金沢21世紀美術館は、小さなお子様連れでも安心して楽しめる美術館です。
ベビーカーや授乳室、多目的トイレがあるほか、誰でも利用できる託児室も。
キッズスタジオでは、子どもが楽しめる多彩なプログラムが開催されています。親子で参加するのもいいですね。
訪問時は、コレクション展をモチーフにしたプログラムの作品が飾られていました。
そのモチーフになった展示がこちら。
山崎つる子《ブリキのたく(ら)み》2011 ©YAMAZAKI Tsuruko
「コレクション展1 マテリアル・フィーバー」展示風景 2025 金沢21世紀美術館
展示された作品を見て、子ども達がそれを自分でも作ってみる…すてきなコラボレーションですね。キッズスタジオに飾られている作品を見ると、本当に子ども達の表現力は素晴らしい!と感じます。
誰でもいつでも、自由に感じて楽しんで
今回、館内の作品を案内してくださったのは、金沢21世紀美術館の広報の吉冨さん。
ボランティアの方と一緒に、壁画の制作にも関わっておられたそうです。
お話を聞いていると、この美術館が大好き!という気持ちが伝わってきました。
まだ言葉もわからない小さなお子さんから年配の方まで、どんな人もそれぞれの見方で見られるのが現代アートの魅力。
世代ごとの受け取り方の違いなどを共有してみるのがおすすめだといいます。
また、季節や天候、時間によって作品の見え方が変わってくるのも現代アートの面白さ。
感じ方の違いなども自由に楽しんでもらえたら、と笑顔で話してくださいました。
金沢21世紀美術館は、市内の小学生が「ミュージアム・クルーズ」に招待されたり、中学生が友の会会員として無料で鑑賞できたりと、子どもたちにとっても身近な存在。
また市民ギャラリーでは小中学生の作品展や美大の卒業制作展なども開催されているため、訪れたことがある人も多いでしょう。
私も何度も足を運んでいますが、今回改めてお話を聞き、展示作品を見ることで、また新たな発見がありました。本当に何度訪れても楽しい場所です。
現代アートに詳しい人もそうでない人も、子どもも大人も、地元の人も観光客も、どんな人でもいつでも優しく迎えてくれる美術館。
あなたもぜひ、新しい発見を探しに行ってみませんか。
展覧会ゾーンのチケット料金は、展覧会により異なります。Webサイトを確認してみてくださいね。
INFORMATION
店名:
金沢21世紀美術館
住所:
石川県金沢市広坂1-2-1
(駐車場319台(30分無料、以降30分ごとに150円))
電話番号:
076-220-2800(代表)
営業時間:
展覧会ゾーン 10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)
交流ゾーン 9:00~22:00
定休日:
展覧会ゾーン:月曜日(休日の場合は直後の平日)、年末年始
交流ゾーン:年末年始
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