里見町|凍える日でも汗だくの日でも、季節を問わず金沢の “かきごーらー” たちを魅了する、かき氷専門店「こおりんぼう」

里見町|凍える日でも汗だくの日でも、季節を問わず金沢の “かきごーらー” たちを魅了する、かき氷専門店「こおりんぼう」

暑〜い日にかきこむように食べる「かき氷」の美味しさは言うまでもないでしょう。
しかし、今や「かき氷」は夏だけの定番スイーツではありません。こたつにくるまりながら食べる氷菓の魅力、これもみなさんご存知のはず。

アイスクリーム消費量全国トップクラスの金沢市民なら、いつだって「かき氷」を食べるべき!
かき氷専門店「こおりんぼう」さんなら、季節にとらわれることなく楽しめる彩り豊かな「かき氷」を食べることができます。

「かき氷は食事である」いつでも食べたい「食」としてのかき氷「こおりんぼう」

街の喧騒から1歩入る。里見町にある「こおりんぼう」

かき氷専門店「こおりんぼう」さんは、金沢でもにぎやかさを誇る竪町と柿木畠、2つの商店街に挟まれた「里見町」にあります。里見町は、武家屋敷のような古い街並みのなかに、個性的な店舗が点在するエリア。
 近年注目が集まるこの里見町界隈に、2025年8月「こおりんぼう」さんはOPENしました。
開店に際して、当初は香林坊地区で物件を探していたご店主。みなさんお察しの通り、店名も香林坊に少しひねりを加えたネーミング。ただ結果的には、ここ里見町がとても気に入っているそうです。


ご覧の通り、この日の金沢は積雪を記録する冬日。
銀世界に「氷」の文字が際立って見えます。雪降る日にも氷だぜ。
さっそく入ってみましょう!

 

かき氷との出会いは一期一会

「こおりんぼう」さんのかき氷は3、4種類が随時入れ替わっていきます。
この日のメニューは以下の通り。

手に入る食材の量などで、日を追って終売が近づくメニューが出てくるとのことですので、食べ逃さないように、売切れ間近のかき氷を尋ねてみるのもいいですね。


暑い時期にはサッパリ系、陽気がおさまる頃にはクリームなどで濃い味付けを心がけたメニュー作りをしているそう。

夏場に提供された「桃とクリームチーズ」は、あっという間に売り切れてしまったとのことです。
つまり、訪れたその日のかき氷とは、もう出会えないかも知れない。
氷のように、はかない「こおりんぼう」さんのラインナップ。
じっくり考えて、私は「おみかんティラミス」を注文しました。

 

かき氷の美味しさのカギは「構成」

かき氷のできあがるまでを見学させてもらいましょう。
「こおりんぼう」さんで使われる氷は、「クラモト氷業」さんのもの。
学生時代を金沢で過ごし、かき氷店巡りをしていたご店主にとって、「クラモト氷業」さんの氷で作られたかき氷は思い出の味でもあるそうです。


削られた氷にシロップをかけるシンプルなかき氷とは異なり、「こおりんぼう」さんのかき氷は、クリームや食材と、薄衣のような氷が層になって重なり合うように作られていきます。

「おみかんティラミス」も、下層にはコーヒークリームとグラハムクッキーが置かれ、中ほどには温州みかんにマスカルボーネクリーム、それらを優しく氷が包みこみ、みるくシロップとみかんシロップ、生クリームがたっぷりと。


さらに、ココアパウダーが振りかけられて、ティラミス感が醸成されていきます。


そして、みかんとチョコレート、ローズマリーがのせられて、完成!

●おみかんティラミス 1800円(税込)
美味しそう!
もうこれは、大変なシズル感です。シズルが渋滞していると言っても過言ではありません。

ご店主によると、かき氷作りのカギは「構成」。
上層を食べ、ほどなく中層があらわれ、それらが混ざり合って下層へと向かう。食べ進めるひとさじごとに、味変が起こるように設計する。「こおりんぼう」さんのかき氷の美味しさを形作っているのは、「構成」の妙。

 

かき氷ってどこから食べたらいいんですか?

積年の疑問というか、これまでの生涯、かき氷を上手に食べられた試しがない私。いつも、氷をこぼしちゃうんですけど、どうやって食べたらいいですか?
この疑問も、ご店主にうかがうと氷解しました。

正解は、真上から食べる。


崩しちゃ嫌だなぁ、と横から食べると崩れてしまう。
かき氷の「構成」も、真上から食べることを想定して組み立てられています。

たしかに、掘り進めるごとに、表情を変えていく味わい。みかんの甘さを感じていると、最終的にはティラミスのほろ苦さにたどり着く。
そして、「掘り進める」とは書きましたが、「掘る」感覚はゼロ。フワフワな氷は、みるみる口のなかでほどけていきます。

店内には、白湯の入ったポットが置かれていますので、ときどき白湯を含んで口の中をリセットしながら食べ進めるのが吉。(夏場には、お冷やも用意されます)

 

理想の空間で、かき氷を食べてほしい

ご店主は、富山県出身。金沢の大学に進学した頃から、かき氷店巡りに目覚め、香港で食べたかき氷に感動。東京都内の有名かき氷店で働き始めるほどに。やがて、食べるだけではなく、かき氷専門店を開くことを考え始めたそうです。

「金沢が好きですし、かき氷で金沢を盛り上げたいです!」

店舗の工事が始まると、毎日、開店まで現場に通いつめたのは理想の内装にこだわりたかったから。モンキーポッドという木材を使った丸テーブルや、一枚板のカウンターは自慢のつくり。寒い時期には、ヒーターやブランケットでかき氷を美味しく食べられる環境作りにも抜かりなしです。


冬場に業態を変えることなく、「かき氷専門店」として通年営業するというのも、大きなこだわり。
実際、季節を経ても客足は衰えることがないといいます。

「雪が降っていても、みなさん来てくれます。すごく暑い日も、もちろんですけれど。むしろ中途半端な、寒くも暑くもない日が良くないかも知れません」

金沢にも「かきごーらー」がたくさんいるということですね!
はて?「かきごーらー」って言葉知っていますか?

 

「かき氷は食事である」

かきごーらーとは?>
かき氷を愛する人たちのことを指す。発祥は不明だが、進化系かき氷の誕生にともなって、ネットを中心に一般化した言葉。「かきごーらー」「ゴーラー」  

お客さんのなかには、毎日通い全種類のメニューを制覇する方や、ラーメンを食べるかのごとく、続けて何杯も平らげる猛者もいらっしゃるそう。

「かきごーらーにとって、かき氷は食事ですから。3食かき氷っていう人もいるんですよ」

ご店主のこの言葉にも、もう驚きません。たしかに、「こおりんぼう」さんのかき氷は食事として充分な満足感を与えてくれます。もう、これは食事かも知れない。

かつて、フランスの哲学者パスカルは「人間は考える葦である」と言いました。
時を経て、人類はその流動性と食べやすさを再定義し、「カレーは飲み物である」ことに気付きました。
そして、今、我々は「かき氷は食事である」という境地に至ったのです。

みなさんも「こおりんぼう」さんを訪れて、至福の1杯を食べてみてください。
そうすれば、もうあなたも「かきごーらー」の仲間入りです!

かき氷のラインナップや最新情報は、インスタグラムをチェックしてみてください。

INFORMATION

店名:

こおりんぼう

住所:

石川県金沢市里見町45-1
(駐車場なし・近隣にコインパーキングあり)

営業時間:

平日 12:00~18:00(L.O.17:30)
土日祝 10:00~13:00(L.O.12:30) 14:00~18:00(L.O.17:30)

定休日:

不定休
(営業時間の変更、お休みなど最新情報はInstagramのストーリーで毎日更新)

一人当たりの予算:

〜¥2,000

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。

WRITTEN BY
山本真己

山本真己

ライター

かつて、90歳を過ぎた祖母が、ふと 「金沢で産まれて、生きて、ホントに損した。だって、こんなに空が暗い町はない」と漏らしました。ホントだね! ところが、四半世紀ぶりに金沢で暮らしてみると、暗い空の下に息づくきらめきを感じます。結構いい町なんじゃない? そんな気持ちで書かせていただきます。押忍