富樫・泉が丘|本物の味を追求し続けてきた熟練シェフの、誰もが魅了されるケーキ「PÂTISSERIE Hosoya(パティスリー ホソヤ)」

富樫・泉が丘|本物の味を追求し続けてきた熟練シェフの、誰もが魅了されるケーキ「PÂTISSERIE Hosoya(パティスリー ホソヤ)」

「和栗のモンブラン」や「桃のショートケーキ」などが毎年のように話題になる人気店「PÂTISSERIE Hosoya(パティスリー ホソヤ)」さん。

郊外の住宅地にあるにもかかわらず、ときに行列ができるほど多くの人を魅了してきたケーキ。その裏には、フランス菓子の名店で腕を磨いた熟練シェフの一流の技術と、お菓子作りに対する並々ならぬ情熱がありました。

今回はシェフが目指し続けてきた“本物の味”を楽しめるお店、「PÂTISSERIE Hosoya(パティスリー ホソヤ)」さんをご紹介します。

一流を学び、金沢の地で独自の進化を遂げたケーキ「PÂTISSERIE Hosoya(パティスリー ホソヤ)」

富樫の路地裏に佇むスタイリッシュなケーキ屋さん

北鉄バス「泉丘高校前」バス停から徒歩3分。ニュー三久 泉が丘店さんの駐車場横の小道を少し下ると、左手に白い建物のお店が見えます。こちらが「PÂTISSERIE Hosoya(パティスリー ホソヤ)」さんです。

真っ白で四角いモダンな建物に、鮮やかなターコイズブルーのドアが印象的。

駐車場はお店の正面に3台分あります。

白と青を基調とした、広々とした店内。ショーケースや壁際のシェルフには美味しそうなお菓子たちが整然と並びます。正面の大きなガラス窓から光が差し込み、明るく爽やかな落ち着く空間です。

ケーキのほかに焼き菓子も販売しています。箱入りの商品やギフトボックス単体の販売もされており、プレゼントや手土産に喜ばれること間違いなしです。

 

毎年秋の大人気商品「和栗のモンブラン」開発秘話!

「パティスリー ホソヤ」さんといえば、数ある魅力的な商品の中でも、毎年秋に販売される「和栗のモンブラン」が有名ですよね! 多い時には1日に400個売れることもあり、過去には普段静かな住宅街に50人以上の行列ができたこともあるほど。この大人気商品はどのようにして生まれたのでしょうか。

かつて数々の東京の名店で修行をされていた、シェフの細谷さん。モンブランの構想は、銀座のお店で働いていたころにはすでにベースができていたのだといいます。

フランスから日本に進出した百貨店「プランタン銀座」の中にあったパリの老舗サロン・ド・テ 「アンジェリーナ」。パリ本店は1903年創業の老舗で、名物のモンブランは創業から120年以上たった今でも愛されている「アンジェリーナ」のアイコン的存在です。

細谷さんもこの「アンジェリーナ」のモンブランに魅せられた1人。「いつかこんなモンブランを作りたい」これが細谷さんの、1つの目標になりました。

フランスのモンブランは、マロングラッセをすりつぶしたペースト(パート・ド・マロン)で作る甘いケーキ。それを日本人の口に合わせて甘さを控えめにし、和栗の風味を活かしたものにしようと考えました。

栗は熊本県産の和栗を使用。ペーストではなく生の栗から作るのがポイントです。これにより栗の香りと味わいがしっかりと感じられるモンブランになるのだとか。フランスの伝統的なデザート「リオレ」の配合を応用して栗を炊き、ペースト状にしているそうです。

現在のモンブランはパート・ド・マロンは一切使わず、生栗から作ったペーストのみを使用。金沢の和菓子文化にヒントを得て、栗きんとんなどの和菓子をイメージして作ったのが今のモンブランです。

 

●和栗のモンブラン 660円(税込)表面を覆う栗のペーストは濃く深みのある色をしていて、見た目からも栗の濃厚さが感じられます。

ひとくち食べれば「すごい、栗!」と誰もが驚くこと間違いなし。栗の芳醇な香りと、ほこほこした自然な優しい甘さが口の中にじんわりと広がっていきます。甘さは控えめ、栗の美味しさが凝縮された濃厚な味わいです。これほどまでに栗本来の味わいを感じられるモンブラン、ほかにあったでしょうか。

中には無糖のクリームとサクッとしたメレンゲが入っています。実はこのメレンゲにも秘密が!アーモンドと粉乳が入った「シュクセ」という生地を使っているそう。一般的にモンブランにシュクセは使わないそうなのですが、通常のメレンゲに比べて湿気りにくく、サクサク食感が長持ちするのだそうです。

長蛇の列に並んでまで食べたくなるのも納得のモンブラン。現在はご近所にも配慮して予約対応しています。予約で完売することもしばしばなので、確実に購入したい場合は予約必須ですよ。

 

フランスの製法にこだわった本格派ケーキ

和栗のモンブラン以外にも、季節ごとの限定商品から不動の定番人気商品、ギフトにもおすすめな焼き菓子まで、さまざまなお菓子があります。今回はこちらのケーキ3種をいただきました。

 

●オペラ 550円(税込)細谷シェフが、モンブランと並んで「本物を作りたい」と目標に掲げていたのがこのオペラ。コーヒーの香り高い風味が特徴のチョコレートケーキで、フランスの伝統的なお菓子の1つです。

表面を覆うチョコレートは周囲の景色が映り込むほどつやがあり、断面はスポンジとクリームが秩序正しく層を成しています。真ん中に金箔があしらわれ、格式の高さを感じます。

口に入れるとコクのあるチョコレートの風味とコーヒーの香りが広がり、スポンジからはコーヒーシロップがジュワッとあふれ出します。チョコレートはカカオの風味をしっかり感じるビターな味わいで甘みもしっかり。濃厚な甘さにコーヒーのほろ苦さがマッチしています。洗練された大人のデザートと呼ぶにふさわしい、エレガントなケーキです。

 

●イチジクのショートケーキ 620円(税込)「パティスリー ホソヤ」さんでは季節のフルーツを使ったショートケーキも人気。今回はイチジクのショートケーキをいただきました。

みずみずしく美味しそうなイチジクがたっぷりと乗り、中にはクリームがこんなにたっぷりと入っています。

ひとくち食べると柔らかなクリームが口の中でふわっと広がり、ミルクそのものの甘い香りが鼻に抜けて、思わずうっとり。甘さは控えめで口当たりは軽やかなクリームです。スポンジもふんわりかつしっとりとして、急いで食べないと崩れてしまうほどの柔らかさ。

甘くてとろりとしたイチジクとも相性抜群! クリーム、スポンジ、イチジク、全てが一体となって溶けていくようです。

実はケーキの表面と内側で、クリームを使い分けているのだそう。最初のひとくちはコクを感じられるよう表面には油分多めのクリームを、内側にはホイップマシーンで空気をたっぷり取り込んだ軽やかなクリームをサンドしているそうです。

これが、クリームたっぷりなのにペロリと食べられるショートケーキの秘密なのですね。

 

●アールグレイショコラ 590円(税込)こちらは通年で販売されている人気商品のひとつ。まんまるでツヤのある見た目が綺麗でかわいらしいケーキです。

光沢のあるチョコレートにそっとスプーンを入れると、外側にはチョコレートのムース、内側にはアールグレイの紅茶のムースがたっぷり入っています。ムースは綿密でなめらかな口溶け。ちょこんと乗ったオレンジピールと土台のスポンジから香るオレンジの風味が、甘さの中に爽やかさのアクセントを添えています。

チョコレートの濃密な甘みの合間にアールグレイの香りが漂い、余韻まで華やか。優雅で贅沢なひとときを楽しめるケーキです。

 

東京の名店から海外まで、常に「一流」に触れ続けてきた細谷シェフ

パティシエ歴46年の細谷シェフ。東京・青山の名店「シャンドン」に飛び込みで修行を願い出たのが、パティシエ人生の始まりでした。

若いころからお菓子が好きで、東京に住んでいた当時たくさんのお店のお菓子を食べ歩いていたという細谷さん。ご実家が割烹料理屋で味覚はしっかりしているという自負もあったことから、お菓子作りなら自分にもできるのではないかと感じたそう。専門誌でたくさんのシェフの海外での修行エピソードを読み、ご自身も外国で働きたいという思いもあったことから「お菓子屋さんになりたい」と決意されたそうです。

その後、時代の先を行くお菓子を作っていた銀座の名店「カトリーヌ」でも厳しい修行を積み、27歳でシェフを任されるなど若くして頭角を表しました。

アメリカ・ロサンゼルスのレストラン「Chaya Brasserie(チャヤ ブラッセリー)」からお声がかかり、ホールケーキの商品開発にたずさわったこともあるといいます。そこは連日大勢のお客様で賑わう、カリフォルニアキュイジーヌの代表的なお店。有名なミュージシャンやハリウッドスターも多数来店し、実際にデザートを提供するといった貴重な経験もされたそうです。

そして念願のフランスへ渡り、ケーキ屋さんや、国賓も泊まるような格式高いホテル「オテル ド クリヨン」のレストランなどで本場の味と技術を学びました。

帰国されてからは、お勤め先のお店が閉店したり、開業計画が頓挫したりなど波乱万丈。途方に暮れていたときに声をかけてくれたのが、金沢の「ぶどうの木」で料理長をしていたご友人でした。これが、それまで縁もゆかりもなかった金沢という土地に細谷さんがいらっしゃるきっかけになったのです。

「ぶどうの木」ではおよそ7年間勤務され、製造部長も務められました。この間に、経営についても多くを学んだといいます。

そして当初からの夢だった独立を果たし、2001年に「PÂTISSERIE Hosoya(パティスリー ホソヤ)」を開業しました。

 

「とにかく美味しいケーキを作りたい」という純粋な想い

長年パティシエとして時代の最先端を走り続けてきた細谷さんを突き動かすのは「とにかく美味しいケーキを作りたい」という、お菓子作りへの純粋な想いです。

もともとフランス菓子へ憧れを抱き、修行のために渡仏もされた細谷さん。フランスには存在しないショートケーキも含め、基本的にはフランス菓子の製法を採用をしているそうです。日本のお菓子作りもレベルが高くなりましたが、それでもやはりフランス菓子が一流だといいます。

美味しさの根幹となる素材選びには一切の妥協を許しません。素材、特に乳製品は、日本のものとフランスのものでは全く異なるそう。日本の素材の特性を理解した上で、お店のケーキに合うものを厳選しています。

パティシエ歴46年、現在67歳の細谷さん。「あと10年くらいはお店をやっていきたいですね」と語ります。今後どうなっていくか分からない、そういった年齢に差し掛かっているけれど、体力が許す限りは今の質を保ちながら美味しいお菓子を作り続けたい。

しかしお店の運営を続けられるのは、ご家族をはじめ、周囲の人々の協力があってこそだといいます。

「うちの妻が重要なんですよ、僕1人ではできないんで。自分が元気で、妻がやろうっていってくれる間はやれます」

目標はあくまで「現状維持」だといいますが、常に一流に触れ、技術を磨き続けてきた細谷さんにとって、最高に美味しいケーキを目指すこと自体が、もはや当たり前なのでしょうね。細谷シェフの手がけるお菓子は、今後もさらなる進化を続けていくに違いありません。

本物の味を追求し続けたシェフが生み出すケーキ。みなさまもぜひ“本物”を味わってください。

INFORMATION

店名:

PÂTISSERIE Hosoya(パティスリー ホソヤ)

住所:

石川県金沢市富樫1-7-4
(駐車場3台)

電話番号:

076-280-7477

営業時間:

10:00〜18:00

定休日:

月曜日・火曜日

一人当たりの予算:

〜¥1,000

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。

WRITTEN BY
いなみ

いなみ

ライター

金沢に戻っておよそ5年。昔は意識したことのなかった金沢の魅力に改めて気づきました。すぐご近所にも、まだ行ったことのない素敵な場所がいっぱい!新たな発見で自分自身が感じたワクワクを、たくさんの人にお伝えしていきたいです!