【Relation】石川県の中小企業経営者インタビュー vol.21|求人広告・わんわん保育学園「株式会社エイトブレスユー」奥村昌弘氏

【Relation】石川県の中小企業経営者インタビュー vol.21|求人広告・わんわん保育学園「株式会社エイトブレスユー」奥村昌弘氏

年々深刻化する人手不足。多くの企業にとって人材の確保は大きな課題となっています。
株式会社エイトブレスユーは求人専門会社として、独自の視点からその問題解決をサポートする他、近年では新事業の拡大にも目を向けています。
代表取締役の奥村昌弘(おくむら・よしひろ)氏にお話を伺いました。

出会った人を幸せにしたい

株式会社エイトブレスユー 奥村昌弘氏

人の人生に関わる責任

創業から10年とのことですが、会社を立ち上げるまでにはどのような背景があったのでしょうか。

大学卒業後は上場企業に勤め、そこでHR(ヒューマンリソース)事業として求人部門に配属になりました。
営業として掲載企業を獲得するのが仕事ですね。

ただ成績を伸ばさなくてはいけないという条件のもと、限られた時間で無理な顧客の開拓を命じられ、いろいろとジレンマを感じていました。

求人広告というのは採用を行っている企業がその内容を決めていると思われがちですが、実は媒体側で作成していることがほとんどなんです。

その企業の良さを引き出そうと取材にもかなり時間をかけていましたが、その扱う件数が多いため、どうしても無難でありきたりのフレーズが多くなり、本来掲載すべきその企業の良さ、魅力が伝わらない。

そんな手を抜いた広告では効果もありませんし、実際に就職したとしても、広告に書いてあったことと全く違うじゃないかという話になるんです。

求人誌の難しいところですね。

また求人媒体にも様々なものがあって、本来ならその企業に合ったものを勧めたいのですが、営業としては自社の商品を勧めなくてはいけないというのも辛かったですね。

就職というのはその人の人生に関わることですし、そういった意味では非常に責任の重い仕事なんです。

求人業界にとってのエンドユーザーは求職者と企業の2つであって、その架け橋になるのが役割です。

それだったらオリジナルの求人ツールを開発する会社を起こし、その企業にとって一番良いものを提案できるようにすればいい、これは自分でやった方がいいと思ったんです。

世の中にはすごい会社さんがたくさんありますし、そこと手を組むことによって、皆が良い方向、ベストな結果が得られればいいなと思います。

 

社長の仕事に対する考え方が伝わるお話です。それでも独立にあたってはいろいろとご苦労があったのではないでしょうか。

基本がポジティブなので、辛いと思ったことはあまりありません。(笑)

もちろん困難に逢うこともありますが、乗り越えられる試練だからこそ与えられていると思っています。

学生時代から起業したいという気持ちはあったのですが、同時に社会に出る際には「上場企業に就職する」「営業で1番になる」などいろいろと目標を立て、それが1つでも達成できなかった場合はあきらめようと考えていました。

サラリーマンとして勤めていれば仕事も収入も安定していたでしょうが、前職で求人の仕事に携わったことで、世の中をこうしていきたいという想いが強くなりましたね。

株式会社エイトブレスユー 奥村昌弘氏

 

現代における求人とは

今、世の中では慢性的な人手不足が叫ばれています。特に中小企業においては切実な問題になっていますが、御社ではそういった企業に対し、どのような提案をされているのでしょうか。

現代は情報のないものはあまり信用されない時代になりました。
そのため経営者の方には今は採用に関してこんなやり方があるんだということをお伝えし、その上で適正な費用をかけることをお勧めしています。

公共機関で募集をかけている、ホームページに掲載していると言っても、それらを通じて応募する方はなかなかいない。でも予算をとって広告戦略をとればちゃんと効果は出てきます。

また予算がないようであれば、いろんな補助金をご紹介したり、社内の経費削減をお勧めしたりと、予算を捻出するためのご提案やフォローも行っています。

企業側の工夫も必要なんですね。

まずは企業側の状況や希望をお聞きし、それに最もマッチした求人媒体をご紹介します。
ただお勧めするだけではなく、それにご納得いただければ、その契約から原稿作りまで全てを請け負います。

企業が求めている人材を求職者に正確に伝える。書き方1つで効果が全然違うものなんです。

最近ではTikTokなどのSNSを通じて、国内全域にも情報発信している企業が増えました。
ある程度の費用はかかりますが、テレビでCMを打つことなどと比べれば、ずいぶんとローコストですよね。

 

お客様と接する中で、社長が最も大切にされていることは何でしょうか。

その場限りの営業はしたくありません。
お仕事をいただいて掲載をし、途中で反応を見ながら修正案を出したりもする。お客様も本当に人が欲しくて募集をかけています。

私たちにとっても掲載することではなく求めている人材が採用に至ることが目標なので、最後までフォローしていくことを大切にしています。いわば伴走型の営業ですね。

時折、実際に採用された方に会うこともあるのですが、「おかげさまで良い会社に入れました」「良い社員が入ってくれました」と言われることが、私にとって最も嬉しいことですね。

仕事冥利に尽きるお話です。

一方でかなり厳しいこと、失礼なことを言ったりもするんです。(笑)

採用のみならず、その後の育成や研修などをやっていることもあって、訪問した企業の社員さんの応対がなっていない時などは、それをはっきりと指摘することもありました。
でもそれはその企業さんのことを思ってのことなんです。

自社においても社員には厳しく指導していますし、他社の方からそのあたりを褒めていただくとやはり嬉しいですね。

株式会社エイトブレスユーの社員営業に向かう社員(写真提供:株式会社エイトブレスユー)

 

ワンちゃんと人のために

そういった求人関連以外にも、 昨年12月には「わんわん保育学園」という方向性の異なるお店をオープンされました。どのような経緯があったのでしょうか。

コロナ禍の中で、人は他人とどのように接しないかということを考えるようになりましたよね。

でも知人の「動物病院だけは常に混んでいる」との話から獣医師の方にその理由をうかがったところ、動物も頭数が増えていると聞いたんです。
ただそれは単純に良いことばかりではなく、寝たきりや痴呆症になる老犬も増えているとのことでした。

共働き世帯が多く、そのような老犬を看ることができなくなったご家庭のため、そしてワンちゃんのために、犬のデイケアサービスを始めようと決意したことがきっかけとなります。

奥村氏と愛犬

具体的にはどのようなサービスをされているのでしょうか。

特に室内犬は運動量が少ないこともあり、人間と同じく理学的な運動をさせ、いわゆる寝たきりを減らすなどしています。
また子犬の頃からもそのあたりの習慣は必要なため、保育とデイケアを複合させた施設として運営をしています。

ワンちゃんだってただ家で留守番してるだけじゃなく、人と同じく運動したり、他のワンちゃんとコミュニケーションを図ったりする機会があっていいと思うんです。

また健康面を考え、福光屋さんのご協力を得てワンちゃんの腸内環境を整えるドリンク 「INUNE」 をこの1月に発売しました。
お米と米麴がベースとなり、ミネラル分として珠洲の塩を採用している発酵飲料です。

INUNEを指差す奥村氏

ワンちゃん用の発酵飲料「INUNE」

 

まだオープンされたばかりですが、反応はいかがでしょうか。

SNSなどを通じて多くのお声をいただいています。

能登半島地震で被災されたご家族がワンちゃんを連れてみえ、一時的にお預かりなどもしています。
そういった方面でも今後お役に立っていきたいですね。

困っている方、悩みを抱えている方を助けたいという気持ちが伝わってきます。

社名であるエイ(栄)ト(人)ブレスユー(幸福)とは「企業が栄え人が幸福になりますように」との意味が込められています。

私は人と出会うことが本当に楽しくて、これまで多くの企業を訪問したくさんの方と接してきましたが、皆さん必ず何かしらの悩みを抱えていらっしゃいます。

そのような方々にも幸福になっていただけるよう、これからも力になっていきたいですね。

株式会社エイトブレスユーが運営する「わんわん保育学園」の外観

設立:2014年4月

事業内容:リクルーティング、求人広告、Web相談、制作、システム開発、アプリ開発、コンサルティング、「わんわん保育学園」の運営

INFORMATION

店名:

株式会社エイトブレスユー(わんわん保育学園)

住所:

石川県金沢市寺地2-21-16

電話番号:

076-255-1148

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。