
【Relation】石川県の中小企業経営者インタビュー vol.13|重機運搬業「久安重機運輸運株式会社」久安重宏氏、久安涼太氏
Relation

北陸を拠点に、インフラ工事用の重機などを運搬している久安重機運輸運株式会社。
代表取締役の久安重宏(ひさやす・しげひろ)氏と、右腕である営業課長の久安涼太(ひさやす・りょうた)氏にお話を伺いました。
できない理由ではなく、できる手段を考え行動する
北陸No.1の技術と安心感
創業50周年を迎えられていますね。おめでとうございます。まずは創業の経緯から教えてください。
父親である久安常信会長が、トラック2台で野々市市を拠点に重機運搬を始めました。
当時は高度経済成長期の終盤でしたが、地方のインフラ整備はまだまだこれからの時代でした。
先代は前職で重機の修理会社に勤務しており、重機を運搬することが市場から求められている中、周りにはほとんど同業はいないと気づき創業したそうです。商売に対して、目の付け所がとても良かったと思っています。
確かにニッチな分野ですよね。
事業内容としては、一般貨物自動車運送事業・自動車運送取扱事業です。
現在、2tトラックから30t超のトレーラーまで70台以上の車両を保有しており、建設工事だけではなく、イベント関係や災害復旧など幅広い分野をサポートしています。
お客様のご要望もあり、最近は重機以外に小さな荷物の運送にも対応しています。
創業から50年で規模を広げ、今では能登・金沢・白山と県内に3つの営業所を構え、約50名の従業員と共に頑張っています。
代表取締役の久安重宏氏
50名もいらっしゃるんですね。業界の中ではかなり大きいのではないですか。
北陸ではNo.1の規模だと自負しています。トラックやトレーラーの保有台数が多いことも当社の強みです。
お客様の大切な重機をスピーディーに、より安全にお届けすることを考え、今では北陸3県を中心に多くのお客様からご愛顧いただいております。
また、当社は運転技術でも北陸地区でNo.1だと自信を持っています。
すごいですね。技術でも一番だと言える理由は何でしょうか。
私たちのお客様はいろんな現場にいらっしゃいます。
現場によっては、道幅や建物、地形などが複雑に入り組んでおり、大きな重機の運搬が難しい場合があります。
そんな時に「助けてほしい」「何とかなりますか?」とお声がかかるのが当社です。
他社がやりたがらないような難易度の高い案件でも、私たちは決して断ることはありません。
私たちが大切にしているのは「できない理由ではなく、できる手段を考え行動する」ことだからです。
(写真提供:久安重機運輸運株式会社)
それはとても頼もしいですね。技術の習得・鍛錬はどうされているのですか。
新人を簡単に大型トレーラーに乗せることはありません。
まずは小さなトレーラーなどで5~6年経験を積んでから、先輩とコミュニケーションを取りながら現場に同行させます。
これまでは、見て覚えさせることが業界でも教育の主流でしたが、今の若い世代にはしっかりとコミュニケーションを通じて指導していくことが大切だと思っています。
実際に私も多くのトレーラーに乗って経験を積んできました。
現場を知らないと従業員に的確な指示を出せませんからね。
社長も乗れるということが、社員からの信頼につながっている部分もあると思います。
技術教育のためにもコミュニケーションをとても大切にされているんですね。
そうですね。現場仕事が多いため一斉にみんなが集まる機会は多くありません。
だからこそコミュニケーションを大切にしています。
まず何より安全が優先される仕事ですから、事故が起こった時には必ずミーティングをします。
事故を責めるのではなく、原因をみんなで追究し、再び起こさないためにどうするべきかを自分事としてとらえるためです。
同じ現場というものはないので臨機応変な対応が求められます。
そんなこともあって、当社では覚える業務内容は同業他社よりずっと多いと思いますが、そこが自社の技術・安全性を高め、お客様から選ばれる理由になっていると思います。
(写真提供:久安重機運輸運株式会社)
トラックのかっこよさも強み
学ぶ姿勢が素敵ですね。御社の社員さんはどんな方がいらっしゃいますか。
トラックが好きな人、乗りたい人が多いです。
今年初めて求人を出したのですが、応募される方も「スカニアありますか?」「ボルボありますか?」とトラック、トレーラーのことを聞いてくれます。
かっこいいトラックに乗りたくてこの業界に飛び込んでくる人が多いように感じます。
実際に当社の社員もそう思っている人たちが多いです。
どの車両を見てもピカピカですね。
多くの社員が、帰社してから車両の洗車をしっかりしてくれています。また、ルールの中であれば、乗る人の個性で車両の装飾を許可しています。
業界的には珍しいのですが、そうすることで自分の車両として、より愛着をもって大切に乗ってくれるようになります。
現場で「トラックがいつもピカピカだね! かっこいい」と言われると、とても嬉しいです。
地域の子どもたちも「トラックや重機を見せてほしい」と遊びに来てくれます。そんな時にきれいな車両で迎えてあげたいですね。
この業界に憧れを持ってもらえるようにしていきたいです。
仕事終わりの洗車風景
業界日本一を実現するために
御社が北陸で選ばれ続ける理由がよく分かりました。最後にこれからのビジョンを教えてください。
重機運搬業界で日本一を目指しています。
これから先、業界が再編される可能性が高いですが、弊社が中心となって牽引していきたいです。
そのために、北陸だけにとどまらず、東北・関東地方へもサービス範囲を広げたいと思っています。
これは夢物語ではなく、実現する未来として必ずつかみ取ってみせます。
だからこそ、これからも技術と人間性を磨き続けます。
私たちの運ぶものは、重機や荷物だけではありません。
目には見えない「お客様の利益」「地域や人々の安全・安心」 も運ばせていただいております。
そういった使命を感じながら、今後も皆様から必要とされる企業になれるよう、社員ともども日々成長していきたいです。
創業:昭和47年12月
事業内容:一般貨物自動車運送事業・自動車運送取扱事業
INFORMATION
※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。