
【Relation】石川県の中小企業経営者インタビュー vol.25|観光バス「株式会社丸一観光」木下恒喜氏
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【Relation】石川県の中小企業経営者インタビュー vol.25|観光バス「株式会社丸一観光」木下恒喜氏
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七尾市を拠点に観光バスなど多くの事業を手掛ける株式会社丸一観光。
今回は専務取締役の木下恒喜(きのした・こうき)氏に、挑戦し続ける原点と今後の展望についてお話を伺いました。
地域をつなぐバスの使命
安全の先にあるもの
まずは会社の概要と創業の経緯を教えてください。
丸一観光はバス事業がメインの会社です。
丸一グループ全体としては、 タクシー事業、タクシーハイヤー事業、飲食事業などがあります。
丸一観光の歴史は、1965年に丸一運輸という運送業の会社を創業したことから始まりました。
その後、トラック整備事業会社として丸一が設立がされまして、これが丸一観光の前身の会社になります。
そして1983年に貸切バス事業を開始し、2003年には現在のシンボルとも言える「みどりのバス」が誕生しました。
みどりのバスはすっかり定着していますね。
みどりのバスは現社長がデザインしたものなんです。
「なぜ緑にしたのですか?」と聞いたことがあるのですが、「緑が好きだからや」と。
本当はもっと理由があるのではないかと思いますけどね。(笑)
結果的に緑は目立つし、街で「見かけたよ」とよく声をかけていただけるので良かったなと思っています。
みどりのバス(写真提供:株式会社丸一観光)
観光に携わる企業としてどのようなことを大切にされているのでしょうか。
お客様の笑顔のために、という気持ちがやはり一番です。
しかし交通業界に関して言えば安全が何より優先。
安全があるからこそのお客様の笑顔だと考えています。
なので一般的には「安心・安全」と言われますが、弊社の企業理念は「安全・安心」で、「安全」が先なんです。
事故をゼロにするのは難しいですがゼロに近づけることはできる、そのために何をしていくかというところが、我々の社会的責任だと思っています。
「人を集める」ではなく 「人が集まる」会社に
いろいろな取り組みをされていると伺っています。
昨年1年だけでも、震災直後に受験生の送迎、飲食事業としての炊き出し、「能登復興ネットワーク」という民間団体の立ち上げ、ニコニコ動画でオンラインバスツアーの配信など、振り返ればいろんな取り組みをしたなと思います。
それ以前にもコロナ禍にSNSを始めたり、ラグジュアリー車両「LUXNODO(ルクスノード)」のプロジェクトを立ち上げたりと、常に新しい取り組みを続けてきました。
SNSはどのようなきっかけでスタートされたのでしょうか。
理由は2つありますが、その1つは、自社の取り組みを知って欲しいという思いです。
当時、コロナで仕事がない中でも様々な取り組みをしており、「せっかくいいことをしているのに知られていないのがもったいない」と感じていました。
もう1つは、副業人材の活用です。
当時、七尾の地元企業と協力しいくつか副業人材とのプロジェクトを進めていたのですが、 その一環としてSNS運用の人材を迎えました。
その方は今も引き続き関わりを持ち、地方企業のためにとサポートを続けてくださっています。
始めたきっかけは情報発信とファン作りでしたが、今後は求人にもつながればいいなと考えています。
「人を集める会社」ではなく、「人が集まる会社」にしていきたいですからね。
LUXNODO(ルクスノード)も素敵ですね。
LUXNODOは、少人数向けのマイクロバスをラグジュアリー仕様にカスタムしたものです。
プライベートなゆったりとした空間で、移動時間にも価値を提供できるように、という意図があります。
最近どんどんインバウンド客が増えていく中で、地方誘客が鍵になってきます。
特に外国人観光客は富裕層も多いので、そこにラグジュアリーバス、タクシーがフックとなるサービス提供ができればいいなと思っています。
もちろんメインはみどりのバスと考えていますが、ひとつの営業ツールとしてこれから伸ばしていきたい事業ですね。
ラグジュアリー車両「LUXNODO(ルクスノード)」(写真提供:株式会社丸一観光)
これらの取り組みの原点は何でしょうか。
やはり「常に挑戦者たれ」という思いです。
今の社長に話を聞くと、最初は本当に小さい会社からのスタートで挑戦者だったんです。
創業時、周りは雲の上のような会社ばかりでした。挑戦者として上へ上へ、トライアンドエラーを繰り返したからこそここまで来れたなと思っています。
そして何より、弊社は50周年を迎えたのですが、コロナ禍や震災を始めとした大きな危機を共に乗り越え、付いて来てくれた社員の皆さんへの感謝の心が大きいです。
バスにしかない価値
今後の展望として、どのようなことをお考えですか。
業界全体ではドライバーのなり手不足が深刻です。
運転手はどんどん減っているので、 自動運転、 AI技術などのテクノロジーには常にアンテナを張りつつ、取り入れるべきものは取り入れるという姿勢は大事にしていくつもりです。
自動運転はまだ先だと思いますが、運転アシストは近く実現するでしょう。
安全性が上がるのであれば願ってもないことですし、働きやすい環境作りにつながるので大歓迎です。
そして今後自動運転が普及し、人間が運転しなくてもいい時代が来たとしても、バスの特性上やっぱり「人の力」は必要不可欠なものだと思っています。
人にしかできない価値をもっと大事にしていきたいですね。
能登では震災の影響もあり、地域課題が10年加速したと言われています。
一次産業、二次産業、三次産業、観光資源、魅力的なものがたくさんありますが、それらをつないでいく存在が必要なんです。
地方に行けば行くほど、観光業が大きな鍵を握ってきます。
その中でバスは、飛行機でも電車でも行けないところにお客様をお連れすることができる。
バスにしかない価値は絶対にありますし、それを守っていくのが私達の使命だと考えています。
創業:1965年11月
事業内容:一般貸切旅客自動車運送事業/一般乗合旅客自動車運送事業/第二種旅行業/自家用自動車運行管理業
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