【Relation】石川県の中小企業経営者インタビュー vol.9|店舗設計「株式会社UNILABO」河島匡典氏

【Relation】石川県の中小企業経営者インタビュー vol.9|店舗設計「株式会社UNILABO」河島匡典氏

県内外の店舗設計を手掛ける株式会社UNILABO(ユニラボ)。
飾らない人柄が魅力的な代表取締役の河島匡典(かわしま・まさのり)氏に、仕事をする上での人と人とのつながりや信頼関係の大切さについてお聞きしました。

築き上げた信頼関係こそが財産

笑顔の河島氏

信頼関係から生まれるもの

ホームページを拝見すると素敵な施工例がたくさんありますね。まずは業務内容を教えてください。

一言でいうと内装屋ですね。商業施設の店舗設計がメインです。
地元密着型ではなく県外の仕事が多いのが、うちの特徴と言えるところです。

 

創業の経緯はどういったものだったのでしょうか。

短大を卒業したあと、内装業の世界に入りました。当時はちょうどデザイン性のある店舗が出始めた頃で、東京や大阪など大都市から店づくりが変わっていった時代でした。

30歳で大阪に出てアパレルの店を作りましたが、その頃はとにかく仕事が面白かったですね。42歳の時にそれまで勤めていた会社が倒産してしまい、それを機に独立しました。

UNILABOという社名は、ユニバーサルラボラトリの略で、「柔軟な研究室」という意味です。
内装業においても、例えばライトがLEDに変わるなど、時代によってどんどん変化しています。
終わりがない研究室、という感じでしょうか。

実はぼくらの業界は、机ひとつあれば独立できる世界なんです。でも、長く続けることは難しい。
うちみたいに長く続いているのは珍しいほうかもしれません。

 

県外の仕事が多いということですが、何か戦略があってのことですか。

初めて請け負った現場が県外であったことがきっかけになりました。

ひとつの仕事をした後にお客様からまた声をかけていただくことが多く、結果として県外の仕事の割合が多くなっています。

お客様からとても信頼されているということですね。長く続けてこられた秘訣もそういったところにあるのでしょうか。

そうですね。特に現場は営業の最前線でもあり、そこで築いたお客様との信頼関係こそが大切だと感じています。

発注された仕事をコスト通りにきれいに仕上げるのは当たり前のことです。

その上で、自分が気がついたことはお客様に指摘される前にやっておく、困ったときにはすぐに対応するといった「かゆいところに手が届く」ということを常に考えて動いています。

そうするとお客様が困った時にぼくのことを思い出し「河島さん助けて」「ちょっと手伝って」と声をかけてくれるわけです。そのたびに、何とか期待に応えられるよう必死でやってきました。

それが認められてまた次につながっていくのだと思います。

加賀屋グループ「虹と海」の内装

加賀屋グループ「虹と海」の内装加賀屋グループ「虹と海」の内装(写真提供:株式会社UNILABO)

 

素であることの意味

相手の信頼を得るというのはなかなか難しいことですよね。

ぼくは人と話す時は、格好をつけず素で話すように心がけています。
おべんちゃらばかりで長続きするわけがない。相手もそういうことは感じ取るものだと思います。

 

社員の皆さんとはどのような関係ですか。

うちは会議がゼロなんですよ。社員が集まるのは「そろそろ飯でも食う?」みたいな感じです。

会議だと、上司がこわくて隠してしまったり、話しづらくて虚偽の報告をしたりということが起こります。
そうではなく、何でも話せる仲になりたいと思っています。社員がびくびくしている姿を見るのは嫌ですね。

社員が笑っていない会社の社長は、はっきり言ってかっこ悪い。
そして部下のミスをいつまでも厳しく怒る上司も良くないです。

失敗は誰でもするものです。
やってしまったことを怒るのではなく、次どうするか一緒に考えよう、そういう姿勢でいたいですね。
そして、失敗した経験こそが強みになっていくと考えています。

あるとき、社員と一緒に現場に出て、いちから仕事を教えたことがあります。
そうすると「ここまで真剣に教えてくれたのは初めてです」と言われましたね。
その時は「それは君が聞かないからだ」と伝えましたけど。わからないことはわからないままにしてほしくない。

ぼくはわからない時は何でもすぐに聞くようにしています。この年になっても怒られることも多い。
でもそれは信頼関係があってこそのことだと思っています。

CO-WORKING BASE CHIRIHAMAの内装

CO-WORKING BASE CHIRIHAMAの内装CO-WORKING BASE CHIRIHAMA(写真提供:株式会社UNILABO)

 

物件の価値を高める

店舗設計ですとお店の名前がメインになり、UNILABOさんのお名前は表に出てきませんが、そういったところに寂しさを感じることはありませんか。

それはないですね。黒子に徹することが信念です。
それに、名前を出すことで同じものを作ってほしいと言われても対応が難しいんですよ。
どの店舗も作り手の想いが違うので、同じようには作れません。

同じものを作らないことで、ひとつひとつの物件の価値を高めたいと思っています。

 

最後に、これから挑戦してみたいことはありますか。

何か新しいことを始めてみたいですね。
ぼくは車やバイクが好きなので、所ジョージさんの世田谷ベースならぬ「かほくベース」とか。

のんびり仕事をしながら若い人の考えを聞いてあげたり、おしゃべりをしたり…みんながふらっと遊びに来てくれるような場所やコミュニティを作れたらいいですね。

趣味のバイクを楽しむ河島氏趣味のバイク

株式会社 UNILABO 河島匡典氏

設立:2010年
事業内容:商業施設・住空間・企画設計・施工監理・総合コンサルティング・各種デザインワークス

INFORMATION

店名:

株式会社 UNILABO

住所:

石川県金沢市幸町23-1 シナジービル302

電話番号:

076-255-0285

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。