東山|とけゆく甘さに、透ける夏。くちどけ一瞬、記憶は永遠。かき氷「RITSUKA(りつか)」

東山|とけゆく甘さに、透ける夏。くちどけ一瞬、記憶は永遠。かき氷「RITSUKA(りつか)」

夏のひがし茶屋街のとけゆく芸術品を探しにいく。
ひとくちで恋に落ちるかき氷、「RITSUKA」さんの「銀朱」と「常盤」。
ふわりと消えて、心に残る贅沢を。くちどけ一瞬、だけど永遠に心に輝く涼…
金沢の町家で出会える、ひとくちの芸術。それが、「RITSUKA」さんのかき氷です。

和の情緒をまとった、食べる芸術! 1杯で心を揺さぶる、儚くて贅沢なかき氷「RITSUKA(りつか)」

 

町家で味わう、ひとくちの芸術

ひがし茶屋街の奥にある町屋を改装した「RITSUKA(りつか)」さん。

お茶屋だった町家を改装した空間で、まるでアートのようなかき氷を堪能できるお店です。

 


(写真提供:RITSUKA)

かつてお茶屋として人をもてなした町家を生かした店内は、弁柄(べんがら)色の土壁がどこか懐かしい。

浴衣や着物で訪れれば、ひがし茶屋街の風情をいっそう深く味わえます。

すぐ隣には、障子からやわらかな光が差し込む落ち着いた空間が。

古い町家の趣に、すっと馴染むモダンな椅子と木の床。

季節の風が通り抜けるような、静かな時間を過ごせます。

 

どちらでかき氷を味わうかは、その日の気分と風のままに。

 

ぜひ味わってほしいのは、やっぱり苺

目の前で削られていく地元の製氷屋さんが作った純氷は、雪の結晶のように薄くて繊細。

絶妙な力加減で重ねられ、ふわりと空気をまとった「RITSUKAのかき氷」の形になっていきます。

1枚1枚が重なりあって生まれる氷の層は、職人の手仕事そのもの。

この瞬間から、すでに小さな芸術品です。

まずは自家製の苺コンポート。

形は不揃いでも味の濃いいちごを地元の農園から仕入れて、丁寧に炊き上げています。

その上に自家製練乳がたっぷりかけられます。

「RITSUKA」さんの自家製練乳は、何時間もかけてじっくりと作られています。

仕上げにふんわりと絞られるのは、しゅわしゅわの苺エスプーマ。

甘酸っぱい苺をムース状に泡立てたものです。

楽しみ!!

 

ひとくちで感じる、苺の魔法

●銀朱(ぎんしゅ) 2,200円

早速いただいてみましょ!

このつやがたまらんですね。

苺の華やぎがふわりと立ちのぼって心が躍っちゃう♪

シュワっとほどける苺のエスプーマ。氷のふわふわ感と重なって、思わず笑顔になる軽やかさ!

ひとくちで感じる、「RITSUKA」さんだけの“苺の魔法”!!

そして、ただ甘いだけじゃない、心までほぐしてくれるようなやさしい甘さの自家製練乳。

どこかほっとする和みの味わいは、他ではなかなか出会えません。

私この練乳大好きなんですよね♡

エスプーマと自家製練乳の次に現れるのは苺コンポートとメレンゲ。

ぎゅっと詰まった苺の甘さと酸味が口いっぱいに広がって、かき氷の儚さと重なり、まるで小さな苺畑にいるみたい!

上からふんわりかけられたメレンゲが、ひとくちごとにサクサクと溶けて、苺の濃厚さに軽やかなアクセントを添えてくれます。

 

そして最後には、ひんやりとした白ワインのジュレがそっと顔をのぞかせます。

ひとくち進むごとに苺の甘さ、練乳のやわらかさ、メレンゲのサクサク、しゅわしゅわのエスプーマ、そして白ワインジュレのすっきりとした大人の余韻…

上品で繊細な甘さが舌の上でほどけて、ほてった頭をすっと冷やし、涼やかな息を届けてくれる。

食べ終わるころには、心まで優しく落ち着いている自分に気づきます。

は~、こんなアートなスイーツあるんだ、とうっとりしちゃいますね。

 

深く…濃く…心に響く抹茶のご褒美

●常盤(ときわ)2,200円

さぁ、次の物語は抹茶の章。

鹿児島・池田選茶堂のオーガニック抹茶を贅沢に使い、3つの表情でその深い味わいを存分に楽しめる今夏の新作です。

艶やかに広がるのは、池田選茶堂の抹茶を贅沢に使った濃い抹茶ソース。

とろんと乗ったエスプーマが、香りをそっと引き立てます。

「いったいどんな抹茶パラダイスが待っているんだろう」

ワクワク、ドキドキが止まらない!

美しい…思わず息をのみ、うっとりと眺めてしまう。

溶けゆく氷は、艶やかに、しとやかに、抹茶の緑をそっとまとっています。

その姿は一瞬の芸術であり、ひとくち目のおいしさをそっとかきたててくれるんです。

背に映える赤壁が、この器の物語をより一層引き立ててくれますね。

では、行きましょう!

最初のひとくち。

 

うわ~抹茶でととのう!

 

香りとほろ苦さが心を静かに落ち着かせて、抹茶の世界へ連れていってくれる。

抹茶って、深くて、濃くて、心に響くご褒美だったんだと、ただただ感動!

クリームでまろやかに、エスプーマで濃い香りと後味を。

こんないろいろな顔がある抹茶ありますか?と抹茶通も納得のおいしさ!

さらに中盤には、みたらしソースと白餡餅ソースが忍んでいます。

抹茶の深みに、まろやかなコクと甘じょっぱさが重なったとき、「天才か…!」と心の中で叫ばずにはいられない。

ひとさじで全部持っていかれる、その衝撃!もう「RITSUKA」さんのトリコです。

そこにふいに現れたのは、黒豆の濃厚なコクと、舌を目覚めさせるやわらかな塩味!

この塩味でまた抹茶の深みに静かに落ちるアツい1粒!

さらに進んだ先には、思わず心が躍る“隠し味”がひとつありますよ。

それが何かは、出会ってからのお楽しみにしときましょ♪

 

口に運ぶごとに食感が変わり、抹茶の違いがそっと開いていく。

この1杯もまた、「RITSUKA」さんの誇る小さな芸術です。

 

鮮やかに進化し続けるかき氷

私たちのかき氷の記憶をどんどん鮮やかにしてくれる、アートであり、芸術であり、和の情緒をまとって進化し続ける「RITSUKA(りつか)」さん。

どれも、かき氷とは思えない味の層が1杯の中に散りばめられています。

まるで食べるファンタジー。

この手間ひまと、すべての素材が手作りだからこそ生まれる特別なかき氷です。

1杯に込められた四季の風情と、ひとくちで広がるやさしい余韻。

こんなにも心を震わせてくれるかき氷に出会える場所が、金沢にあることに心から感謝したい。

期間限定メニューなど最新情報は、ぜひ、お店のインスタグラムをチェックしてみてください。

 


(写真提供:RITSUKA)

そして今年は、お向かいの姉妹店「和栗 白露」さんでも、待望のかき氷が始まります。

あの上質な栗が、いよいよ夏のひんやりスイーツに!!

ほうじ茶と和栗のムースに白餡を重ねた、ひがし茶屋街でしか味わえない和栗 白露の世界を、堪能してください!

INFORMATION

店名:

RITSUKA

住所:

石川県金沢市東山1-23-10
(駐車場なし・近隣にコインパーキングあり)

営業時間:

11:00〜17:00
※平日12:00〜

定休日:

不定休(7月4日から夏季は毎日営業)

一人当たりの予算:

¥2,000~¥3,000

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。

WRITTEN BY
岩本 由香里

岩本 由香里

ライター

心おどるワクワクを「声と言葉」で紡ぐ、野々市在住のフリーアナウンサー&ライター。“今”の感性をたいせつに、人とのあたたかいふれあいを丁寧に伝えています。ブログ・動画・司会・ナレーション…彩りをかたちにする“表現系MC”。寿司とメロンと生クリームをこよなく愛し、ととのいに憧れサウナで迷走しまくり中!