森山|昔ながらのおいしさを今に伝える、地域に愛される「山の上洋菓子店」
「山の上」バス停が目印の、温かみのある街の洋菓子店。
並んでいるのは、季節のフルーツケーキやプリン、チーズケーキにアップルパイなど、私たちがよく知る昔ながらの洋菓子たち。
けれどその1つひとつに使われているのは、栄養たっぷりのこだわりのお砂糖や、添加物をできるだけ控えたやさしい素材。
だからこそ、子どもからお年寄りまで、街のみんなが安心して食べられるお菓子になっています。
この街の誰もが笑顔になれるケーキを。
古民家を改装した街の洋菓子店が、今日も変わらない甘さを焼き上げています。
目次
素材にまっすぐ、丁寧に。毎日食べたくなる街のケーキ屋さん。「山の上洋菓子店(やまのうえようがしてん)」
地域に寄り添い、毎日に小さな幸せを届ける洋菓子店
金沢市の森山町。
「山の上洋菓子店」さんは、その名の通り、この山の上の一角にお店をかまえるケーキ屋さんです。
街のくらしが感じられる、観光地の喧騒から少しはなれたこの場所で、地元の人の日常に溶け込むようにたたずんでいます。
お店の真ん前にある「山の上」バス停が目印。すぐ横に5台分の駐車場もあり、バスでも車でも気軽に立ちよれます。

「山の上洋菓子店」の文字がはえる大きな看板。
古民家をリノベーションした外観は、どこか和のおもむきを残しながらも、温かく迎えてくれるたたずまいです。
店内も、古民家ならではの木のぬくもりがあり、コンパクトでどこかほっとする居心地の良さと、洋菓子店としての存在感が両立した空間です。
ひとつひとつに想いを込めた、気取らないケーキたち
ショーケースには、街の人びとに愛される定番のケーキ達が並びます。
どれを選んでも「やっぱりこれが好き」と思える、はずれなしのラインナップ。
ひとつひとつから、昔ながらの味わいとていねいな手仕事を感じさせます。
●山の上チーズケーキ 1,458円(税込)
まるいお月様のようなフォルムが印象的なチーズケーキ。
お店の方に伺うと、「1番人気はやっぱりこのチーズケーキ」とのこと。
シンプルながらも存在感があり、ショーケースの中でひときわ目をひきます。
まんまるなフォルムがなんとも愛らしく、見るだけで心をくすぐられます。

フォークを入れた瞬間、しゅわっと音がしてびっくり。
想像していたよりずっと軽くて、ふわっと口の中でとけていきます。
酸味は控えめで、やさしい甘さの中にほんのりレモンの爽やかさもあり、気づけばワンホールぺろりと食べられちゃいそうな軽やかさです。
毎日でも食べたくなるような、やさしくて飽きのこない味。
「こういうチーズケーキが食べたかった!」と思える1品でした。
チーズケーキを食べて満足……のつもりだったのですが、カウンターの上に並んでいたパイがあまりにもおいしそうで、気づけば2種類ともお持ち帰りしていました。

カウンターの上に並ぶパイは、丸くつやつやで、見ただけでおいしそう。
こちらは、期間限定のかぼちゃパイ。
たっぷりのかぼちゃペーストが、写真からも濃厚さを伝えてきます。
筆者はかぼちゃに目がないので、限定のかぼちゃパイは特に気になってしまいます。
●パンプキンパイ カット 367円(税込)
ひと口かじるとパリッと音がしてかぼちゃの甘さが口いっぱいに広がります。
バターの香るパイ生地が、しっとりなめらかなかぼちゃペーストをやさしく包み込んでいて、ひとくちごとに秋の風味が広がります。
甘すぎず、素材の旨みを感じる上品な味わいです。
秋のうちにもう1度食べたい限定スイーツでした。
続いては、「浦野果樹園」さんのりんごを使った定番のアップルパイ。

実は筆者、子どものころはりんごを使った大人な風味のお菓子が得意ではありませんでした。
ですが、丸いフォルムにつややかなパイがあまりに美味しそうで、かぼちゃパイと一緒にお買い上げ。
そして、思いがけず1番のお気に入りになりました。
●アップルパイ ハーフ 346円(税込)
いわゆる「大人のシナモン香るアップルパイ」というより、果実そのもののフレッシュさが活きた、フルーティーでやさしい甘酸っぱさがあるアップルパイ。
この甘酸っぱさが本当に美味しく食べやすいんです。
バターが香るずっしりとした土台にりんごの甘酸っぱいソースがほどよく染み込み、最後のひとくちまで飽きません。
これは、手土産にもぜひ選びたくなる1品です。
ちなみに、このアップルパイは「浦野果樹園」さんのりんごがなくなり次第、販売終了とのこと。
見かけたらぜひ手にとって、1度は味わってほしい逸品です。

「山の上洋菓子店」さんの人気商品、「山の上コルネ 249円(税込)」。
自慢のパイ生地に、能登鶏卵をはじめ厳選素材のカスタードクリームをたっぷり詰め込んだ逸品です。
筆者がお邪魔した13時には完売していました。次回は絶対に食べてみたい1品です。

「クレープオマスカット 648円(税込)」は、上にたっぷりのマスカットが彩る季節のケーキ。
季節ごとにフルーツが変わるので、「次はどんな味に出会えるかな」と、何度も通いたくなる楽しみがあります。

ケーキだけでなく、店内には焼き菓子コーナーもあります。


手に取りやすいサイズや箱入りの商品も揃っているので、ギフトや手土産にもぴったりです。
子どもも大人もほっとできる、山の上の洋菓子店
「山の上洋菓子店」さんは、地域の人々に親しまれ愛されてきたケーキ屋さんです。
店名はそのまま高台の「山の上」という地名に由来し、また「パティスリー」や英語などは使わずあえて「洋菓子店」としたのも、子どもや地域の方が気軽に入りやすいようにとのオーナーの想いからです。

オーナーは幼い頃、母から茶色い砂糖を与えられ、その時はただ甘いお菓子として楽しんでいたものの、今振り返ると、母が子どもの身体を思ってえらんでくれたことに気付いたと言います。
自身も親となり、またケーキを提供する立場になった今、あの頃の母の想いを深く理解し、安心して食べられるお菓子づくりを大切にしています。
「奇をてらった商品ではなく、子供も大人もお年寄りも、誰もが安心して口にできる毎日でも食べたくなるケーキを作る」
そんな想いが、このお店の名前やたたずまい、並ぶケーキのひとつひとつに表れています。
ものづくり・ケーキへのこだわり
「山の上洋菓子店」さんでは、素材選びから仕上げまで、ひとつひとつ丁寧に向き合っています。
茶色い砂糖、含蜜糖(がんみつとう)をはじめ素材は身体にやさしく、素材の持ち味を生かせる、信頼できるものを選んでいます。
ケーキは奇抜さや凝ったデザインよりも、伝統的な味わいや安心感を大切にしています。
古民家を改装した店内には、その温かみのある空間に手作りのケーキが並びます。
パイやスポンジ、クリーム類など、それぞれの素材や仕上げに細やかな配慮がされており、子どもでも安心して食べられる優しい味わいに仕上げられています。

昔ながらの技術を受けつぎながらも、現代のおいしさに合わせて自分たちの技術でみがき上げ、誰でも楽しめる食べやすさを意識したケーキになっています。
「売れる分だけ、本当に価値あるものだけを手間暇かけて作る」
そんな姿勢が、地域に根ざした親しみやすさと、素材と技術の両立による確かな美味しさを人びとに伝えています。
特別じゃなくていい、また食べたくなるしあわせを。
「山の上洋菓子店」さんは、派手さよりも毎日食べたくなるおいしさを大切にする街のケーキ屋さん。
素材への想いと丁寧な仕事から生まれるやさしい味わいが、おとずれる人の心をつかむのかもしれません。この街で愛され続ける洋菓子店へ、ぜひ1度足を運んでみてください。
INFORMATION
店名:
山の上洋菓子店
住所:
石川県金沢市森山2丁目3−22
(駐車場5台)
電話番号:
076-225-8642
営業時間:
10:00~18:30
定休日:
月曜日
隔週で火曜日
一人当たりの予算:
¥1,000~¥2,000
※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。







