まちを彩る企業図鑑
-
#6この記事を読んでいます
箔座株式会社|特別な日だけじゃない。地元・金沢に住む私たちだからこそ、金箔を日々の暮らしに
-
-
-
-
金沢の街を歩けば、どこかで必ず目にする「金箔」。
金沢市は、日本の金箔生産の100%を占める産地です。
けれど、地元で暮らす私たちにとっては、どこか「観光客向け」という印象を持つ人も多いかもしれません。
そんなイメージも、金箔をもっと深く知れば、きっと変わるはず。
創業50年を迎える箔座株式会社の高岡さんに、この街と金箔への思いをお聞きしました。
目次
金沢の金箔って、こんなにすごい!今日からでも取り入れたくなる、伝統の「金箔」の新しい輝き
特別な日だけじゃない。日常の中に金箔を
箔座株式会社があるのは、金沢市森山、浅野川のほど近く。ここに「箔座本店」もあります。
ひがし茶屋街からも徒歩圏内にありながら、観光地のにぎわいとは少し距離を置いた、落ち着いたエリアです。
圧倒的な輝きを放っているのが「黄金の茶室」。まばゆいばかりの美しさです。
店内では、「金箔をもっと身近に感じてほしい」という想いから、アクセサリーや器、食品、コスメなど、暮らしに溶け込むアイテムを幅広く展開しています。
ゆっくりとお買い物ができる落ち着いた空間です。
創業50年。受け継いだものは、ただひとつ
この金沢市森山の地で、今年創業50年を迎える箔座株式会社。
「箔座本店」にて、代表取締役社長の高岡美奈さんにお話を伺いました。

高岡さんは三代目。金箔職人だった祖父が創業し、二代目の父から受け継いできました。
「何を受け継いだかというと、本当に金箔への愛情だけです」
笑顔で語る高岡さんの言葉からは、伝統を守る重みというよりも、とにかく金箔が好き!という気持ちが伝わってきます。
高岡さんはこう語ります。「変えるべきものと、変えてはいけないもの。その線引きは難しいけれど、その時々を生きる私たちが『いいな』と思える価値にちゃんと変えて届けていくこと。その革新とチャレンジこそが、のちに伝統になっていくのだと思います」
箔座株式会社がある「森山」は、かつて多くの金箔職人が暮らしていたエリア。
浅野川の水が紙づくりに適していたことから、金箔産業が根付いた場所でもあります。
高岡さん自身も生まれ育ったこの土地には「理屈なしの愛着がありますね」と笑顔で語ります。
「浅野川大橋から眺める、卯辰山側の景色が1番好きなんです」
現在は東京・日本橋にも店舗がありますが、「あくまでも拠点は金沢」という考えは変わりません。
半年かけて紙をつくる。守り続ける、昔ながらの製法

薄さ1万分の1ミリという金箔。
金箔には、大きく分けて2種類あります。
伝統製法の「縁付(えんつけ)金箔」と、現代的な製法の「断切(たちきり)金箔」です。
現在、私たちの身の回りで見かける金箔のほとんどが現代的な「断切金箔」なのだそう。
伝統的な「縁付(えんつけ)」は、国宝や重要文化財の修復にも使われる技術。
そのクオリティを左右するのは、金そのもの以上に「紙(箔打ち紙)」にあるといいます。
半年かけて仕込んだ箔打ち紙に金を挟み、束にして機械で打ち延ばします。
打つたびに金は少しずつ広がり、薄く伸びていきます。こうして薄さ1万分の1ミリという金箔が生まれるのです。
職人として一人前になるには10年から20年もかかるそう。
50年のキャリアを持つ職人ですら「まだうまくならない」と語るほど、深い技術の世界です。

箔座株式会社では、「縁付を後世に残していくこと」を使命に、この技術を持つ職人を自社の社員として雇用し、手仕事を次世代へとつないでいます。
「箔座本店」では職人の作業をガラス越しに見学できるほか、「箔づくり体験」を楽しむこともできます。
金箔に関わる人みんなが幸せになってほしい
伝統を守りながら、時代に合わせて変えていく。その積み重ねの先に、50周年という節目があります。
「金箔に関わる人みんなが幸せになってほしいと思っています」と高岡さん。
職人も、届ける人も、使う人も。すべての人にとって価値のある産業であること。
次世代についても、「残さなければならない、ではなく、残したいと思われる産業でありたい」と力強く語ってくださいました。

「地元の人にはぜひ『金沢の金箔ってすごいんだよ』と、自慢してほしいですね」
そんな言葉にも、金箔への愛があふれていました。
金沢に住む私たちだからこそ、もっともっと金箔を楽しんでもいいのかも!
お話を聞いて、そう感じました。
金箔を身近に。おすすめはアクセサリー
高岡さんのおすすめは、独自の「純金プラチナ箔」を用いたアクセサリー。
この日もネックレス、バングル、指輪を身につけていらっしゃいました。目立ちすぎないさりげなさがとてもエレガント。
金にプラチナを配合することで生まれたその色は、派手すぎず、かといって地味すぎない、絶妙な輝きです。
「金だと重くて高価になってしまいますが、金箔なら、このボリュームでも驚くほど軽いんです。つけているのを忘れるくらい」と高岡さん。
特別な日だけでなく、普段のスタイルに取り入れてみる。身につけることで、ちょっと気分が上がる。いつもの毎日が、ぐんと輝きを増しそうです。

ひがし茶屋街の「黄金の蔵」は必見
金箔の魅力を体感できる場所が、もうひとつあります。
ひがし茶屋街エリアにある、箔座の店舗「箔座ひかり藏」さん。
観光地ということもあり、訪問時も店内はにぎわいを見せていました。
こちらで見逃せないのが、外壁すべてに金箔を施した「黄金の蔵」。
オリジナルの「純金プラチナ箔」が約2万枚使用されています。
光の当たり方によって輝きを変える美しさに、思わず見入ってしまいます。
中も金色で豪華!まるで吸い込まれるような美しさです。
金沢の暮らしに、もっと金箔を
奥深い魅力にあふれた金箔。
贈り物としてだけでなく、地元に暮らす私たちの日常にも取り入れることで、その価値はぐっと身近なものになります。
まずは気負わず、自分の暮らしに合うかたちで。
金沢のものづくりを、日々の中で楽しんでみてはいかがでしょうか。

INFORMATION
※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。







