【Relation】石川県の中小企業経営者インタビュー vol.14｜「カフェときどきバー、お宿　たけだ」竹田和代氏

承継するのは事業ではなく想いと場

外に出たからこそ見えた地元鶴来への愛

竹田さんは、これまでいろいろな職種のお仕事をされたと聞きました。

これまでCM制作会社、個人事業主としてウエディングプランナーや旅行添乗員など、様々な業種を経験しています。

ただ、どの業界の仕事をするときも「お客様と共に喜びと感動を生み出す」をモットーにして働いてきました。

元々は旅行好きが転じて添乗員になりましたが、各地に行けば行くほど、地元である鶴来の良さと、自身の鶴来に対する地元愛を実感するようになりました。

鶴来の魅力を伝えたい、もっと良い町にしたいと思いました。

どうしてカフェと民泊だったのでしょうか。

単純に昔からカフェを開くことが夢でした。

生まれ育った大好きな鶴来で人に喜んでもらうため、人に喜んでもらうことに幸せを感じる自分のため。
鶴来の町で、ゆっくりほっこりお茶する場所を提供したいと考えました。

また、旅行添乗員の経験も生かし、鶴来の町の良さを多くの人に知ってもらいたいと思ったこと。
ゆっくり観光してもらうには、旅人と地域の人との交流を生み出し、それぞれに楽しい時間を過ごしてもらいたいと思ったこと。
そのためにはカフェと民泊のコラボが良いと思い、このような形になりました。

ハンドドリップの美味しいコーヒー

カフェに飾ってあるダルマが可愛いですね。

先祖代々引き継いできたものです。「七転び八起き」が、私自身の大切にしている価値観なんです。

失敗したっていい、間違ったって良い。どんどんやってみることを大切にしたい。
そんな想いの象徴として、このダルマを飾っています。

タケダの象徴でもある引き継がれてきたダルマ

業態を変え、想いと場を承継する

先祖代々の土地を引き継いでお店を開かれましたが、その理由は何でしょうか。

元々は鶴来の違う場所で探していましたが、なかなか見つからず、母親に「ここでやろうかなぁ」ともらしたことがきっかけで、ここで開くことになりました。

やっぱり原点に戻ってくるんだなぁと運命を感じています。

お店を開いたのは、ほんの数ヶ月前まで先代の母親が理容室を営んでいた場所です。

もともと先祖が小間物屋として商いをはじめ、祖父が理容室を開き、祖母、母と承継し、同じ土地で商いを続けてきました。

地域の憩いの場として愛され続けてきたお店でしたので、業態を変えながらも先代からの想いを承継し「地域の人と旅行者がつながれる、憩いの場」として成長していけるよう、新たにスタートしました。

継承するにあたって先代とたくさん話をすることができ、「タケダ」の歴史をきちんと聞けたことは本当にありがたいことでした。

先代から引き継いだ理容室の品々

カフェスペースは、地域や年齢などあらゆる境界線を越えて、多くの人が集い、つながり、自由と楽しさ、笑顔が広がる癒しの場にしていきたいです。

今回店舗を改装するにあたって、古道具もたくさん出てきました。
先祖代々受け継がれてきた古道具を宿泊施設内に展示できたことも、とても嬉しく思っています。

宿泊できる部屋は全部で3室あります。それぞれの部屋に色の名前がついており、そのイメージに合わせて内装もリフォームしました。

旅行者同士が交流できる大広間

部屋ごとにテーマ色がある和室

お酒の席で使われてきた古道具

人とつながり、楽しさが広がる鶴来へ

最後に、これからの鶴来との関わりを教えてください。

先祖代々商売を続けてこられた町、私が生まれ育った鶴来への感謝の気持ちから、まずは同じ地区のお店や他業種の方々と協力しながら、相互送客できる関係になっていきたいと思います。

そして鶴来を、楽しいことがたくさんある町、素敵なお店がたくさんある町、多くの人々が訪れたくなる町にしたいです。

訪れた人と住んでいる人との交流が生まれ、いつしか住みたくなる町になり、移住者が増えていく。そして、他の地域の方々ともつながりを作り、常に楽しいことを生み出しながら、外から中へ、中から外へと情報や楽しさの幅を広げていけたらと思っています。

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。