【Relation】石川県の中小企業経営者インタビュー vol.33|自動車整備「株式会社 大向自動車整備工場」大向亮輔氏
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【Relation】石川県の中小企業経営者インタビュー vol.33|自動車整備「株式会社 大向自動車整備工場」大向亮輔氏
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1963年の創業以来、輪島の地で自動車整備を続けてきた「株式会社 大向自動車整備工場」。
自動車の車検や整備はもちろん、新車・中古車の販売、自動車保険、二輪車の整備・車検まで幅広く対応しています。
2度の災害を乗り越え、2026年2月には新工場が完成。代表取締役の大向亮輔(おおむかい・りょうすけ)さんに、家業を受け継ぐまでの歩みと再建、これからの展望について伺いました。
支えてもらった恩を、次の誰かへ

(写真提供:株式会社 大向自動車整備工場)
父から受け継いだ、60年以上続く家業
─ まず、創業から現在に至るまでの経緯を教えてください。
始まりは自転車の修理屋だったんです。
祖父の兄弟がそれぞれ、自動車整備、自転車整備、鈑金塗装と分かれて事業をすることになり、祖父が1963年に大向自動車整備工場を設立しました。
その後、私が小中学生くらいの頃には父が社長になりました。

私は、もともと家業を継ぐことは考えていませんでした。
ただ、大学に進学してから、「長男の自分が会社を継がなきゃ誰が継ぐのだろう」という気持ちが少しずつ出てきたんです。
それで、卒業後は石川県内のディーラーに営業として4年間勤めました。
その後、整備の仕事もできるようになりたいと思い、あらためて専門学校に入学し、整備士の資格を取得しました。
家業を継ぐ決意で輪島へ戻り、父が経営する大向自動車整備工場への入社に至ったのです。
─ 実際に社長に就任したのは、予定より早かったと伺いました。
本当は父が会社を建て直して、新しい工場が完成したタイミングで私が社長になる予定でした。
でも、その途中で父に癌が見つかって、2025年5月に亡くなりました。
予定していたよりも早く、私が代表を引き継ぐことになりました。

(写真提供:株式会社 大向自動車整備工場)
人に支えられて乗り越えた2度の災害
─ 2024年1月の能登半島地震では、どのような被害があったのでしょうか。
能登半島地震では会社兼実家が全壊しました。
私も、集まっていた親族も大きなけがはなく、その後の火災や津波に備えて高台へ避難。幸いにも自宅は電気が通っていたので、親戚も含めて15人くらいで2か月ほど避難生活をしました。
一方で、会社もこのままではいけないので、倒壊した建物から使える整備道具を少しずつ運び出し、無事だった倉庫を仮工場にして、なんとか営業を再開したんです。

能登半島地震の被害(写真提供:株式会社 大向自動車整備工場)
─ 大きな被害を受けながらも、仕事を続けられたんですね。
ただ、それだけでは終わらなかったんです。
同じ年の9月に能登半島豪雨があって、今度は仮工場と事務所、自宅まで水没しました。
お客様から預かっていた車も廃車になり、何もかも使えなくなりました。
地震のときに実家から運び出しておいたアルバムなどの思い出の品も、きれいな姿ではなくなってしまって、精神的にはかなりきつかったですね。
─ それは大変でしたね。そんな中で、支えになったものはありましたか。
やっぱり「人」ですね。
地震のときも水害のときも、災害ボランティアの皆さんや各地の青年会議所メンバーなど、本当に多くの方々が駆けつけ、力を貸してくださいました。
苦しい状況の中で、たくさんの方に支えていただき、人と人とのつながりの温かさや心強さを改めて実感しました。
自分はもう、水没したものを直視するのも怖くて、なかなか手をつけられなかったんです。
でも、青年会議所のメンバーが「すぐにきれいにしたほうがいい」と言って、片付けてくれました。
これだけ多くの人が、自分が困っているときに支えてくれた。だから次は、この恩を誰かに送らなければいけないという気持ちになりました。
そして、父が生前に進めていた新工場の計画も残っていました。
設計や補助金の申請など、父が準備してくれていたものです。
それを引き継いで、今年の2月16日にようやく新しい工場を完成させることができました。

(写真提供:株式会社 大向自動車整備工場)
頼ってくれる人を、できる限り断らない
─ 新しい工場で、ここからまたスタートですね。
そうですね。気持ちを新たに、これまで以上に地域に必要とされる工場を目指していきます。
そのために、どれだけ忙しくてもできる限り仕事を断らず、笑顔で誠実に対応することを徹底しています。
車はどれだけ注意していても突然動かなくなることがありますから、そんな時に頼ってくれるお客様の存在を何より尊重したいと考えています。

(写真提供:株式会社 大向自動車整備工場)
特に二輪車は近くに見てもらえる場所が少ないため、ツーリング中に駆け込んでこられた方などは、できる限り対応していきたいと思っています。
「ここで断られたら次はどこへ行けばいいのか」と考えたら、手を差し伸べずにはいられないですね。
─ 一方で、整備業界では人手不足が大きな課題になっているそうですね。
若者の車離れもあって、整備士の人手不足は深刻です。
震災によって輪島を離れる人も増えているので、なおさら人を確保するのが難しい。
今も5人で、必死に仕事を回している状態です。
─ そうした中で、今後取り組んでいきたいことはありますか。
人材確保も重要課題ですが、まずは工場設備を充実させたいです。
例えば大型車のタイヤ交換など、今は人手が必要な作業がありますが、設備を導入することで、少ない人数でも安全に効率よく作業できるようにしたいと考えています。
今いる2人の整備士は、指示をしなくても次の仕事を進めてくれたり、次の仕事のために残業をしてでもその日の仕事を終わらせてくれたり、本当に頼りになる仲間です。
人数が少なくて仕事も大変ですが、そんな中でも楽しみを見つけながら、みんなでなんとかやっていきたいと思っています。
困ったときに「大向さんに相談しよう」と思ってもらえる、地域にとって頼れる整備工場を目指したいですね。

(写真提供:株式会社 大向自動車整備工場)
設立:1963年
事業内容:自動車・二輪車の車検・整備、新車・中古車販売、自動車保険
INFORMATION
店名:
株式会社 大向自動車整備工場
住所:
石川県輪島市新橋通7字101番地の7
電話番号:
0768-22-0441
営業時間:
8:30〜17:30
定休日:
日曜日・祝日、第2・第4土曜日
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