長坂台|“豆からカップまで” を楽しめる、自家焙煎コーヒー店「金澤ちとせ珈琲 長坂台店」

長坂台|“豆からカップまで” を楽しめる、自家焙煎コーヒー店「金澤ちとせ珈琲 長坂台店」

長坂台の穏やかな街並みに佇む「金澤ちとせ珈琲 長坂台店」さん。
ゆったりとした店内は、時間の流れがすこしだけゆるやかになるような、落ち着いた空気に包まれています。

コーヒーを好きなように楽しめる空間「金澤ちとせ珈琲 長坂台店」

「コーヒーって、ただ飲むだけのものではなく、つくる様子も含めて楽しめるものなんだ!」
初めてサイフォンで淹れる様子を見たとき、思わずそう感じました。

ガラスの器具に火が灯り、お湯がコポコポと音を立てて豆と混ざっていく…。
その光景は、まるで理科の実験みたいで、見ているだけでワクワクしてしまいます。

また、1杯のコーヒーには、どこの国で育てられた豆なのか、どんな精製方法で作られたのかといった背景があります。
「金澤ちとせ珈琲」さんでは、そうしたコーヒーの奥深さを、自分の目と舌でじっくり体験できます。

実験室をのぞくようなワクワク感と、1杯のコーヒーの奥深さ。
初心者でも自然とコーヒーの世界に引き込まれる。そんな体験ができる場所です。

 

長坂台の穏やかな街並みに佇むコーヒー店

山側環状道路からローソン長坂店の角を曲がった先にあるのが、「金澤ちとせ珈琲 長坂台店」さん。
駐車場は他店舗との共同利用で、15台分のスペースがあり、車で訪れても安心です。

店内に入ると、天井が高く開放的な空間が広がり、中央には大きなテーブルが印象的に配置されています。

座席はその大きなテーブルに6席、窓際には2人掛けが1席、4人掛けが3席。


全体的に広々としたレイアウトで、落ち着いた雰囲気のなか、ゆったりと過ごすことができます。

座席にコンセントとWiFiが完備されているため、おひとりさまで読書や作業に集中するのも良し、友人や家族と会話を楽しむのも良し。店内のBGMは控えめで、静かな時間を過ごしたい方にも、気兼ねなく会話を楽しみたい方にも心地よい環境です。

 

豊富なコーヒーメニュー

席に着くと、メニュー表はもちろん、スタッフの方がすぐに荷物かごをさっと差し出してくださいました。細やかな気遣いに、はじめから「ここはきっといい時間が過ごせそうだ」と感じさせてくれます。

この日は、シングルオリジンの「エチオピア モカ イルガチェフ G1 ゲテブ」を注文。「エチオピアのコーヒーってどんな味ですか?」と聞いてみると、豆の特徴や味についていろいろと教えてくださいました。

注文したコーヒーは、サイフォンでの抽出。「サイフォンの様子を近くで見てもいいですか?」とお聞きすると、スタッフの方が笑顔で「もちろんです」と快く応じてくださり、カウンター近くまで案内してくれました。

ガラスの器具にゆらめく炎、コポコポと音を立てる湯の動き──
間近で見るサイフォンの抽出工程は、まるで小さな実験のようで、ただの「提供される1杯」ではなく、「目の前で生まれる1杯」だと感じさせてくれる体験でした。

こうした見せる抽出を通じて、コーヒーがどれほど丁寧に淹れられているかを実感でき、飲む前から味わいへの期待が高まります。

 

●エチオピア モカ イルガチェフ G1ゲテブ 650円
●フルーツベリーワッフル 800円

おしゃれな模様のカップに映るコーヒー。サイフォンで丁寧に抽出されたその1杯は、立ちのぼる湯気とともにフローラルでシトラスのような香りがふわっと漂います。口に含むと、はじめは熱々でふんわりとした甘さ。時間が経つごとにシソやハーブを思わせる繊細な酸味が際立ち、まるでワインを味わうように香味の変化を楽しめます。

一緒にいただいたのは、フルーツベリーワッフル。ワッフルの上にアイスクリームと生クリーム、その上にオレンジ、キウイ、ベリーソースがかかっています。酸味の効いたベリーと、軽やかな甘さの生クリーム、そしてバニラアイスが絶妙に調和し、コーヒーの酸味とも相性抜群。見た目も華やかで、気分まで明るくなるようなスイーツでした。

スタッフの方々の自然な距離感と親身な対応が、味わいをより一層豊かにしてくれます。コーヒーを飲む時間が、単なる「休憩」ではなく、自分を整える大切な時間に変わっていく。そんな場所でした。

 

「ちとせ」の名に込めた、静かな継承とこだわり

店名「ちとせ」は、社長・岩本さんの祖母がかつて営んでいた喫茶店「千登世(ちとせ)」から受け継がれたもの。

自家焙煎珈琲の新たな挑戦を始めるにあたって、その思いと歴史を再びこの場所に息づかせたのだそうです。地域に根ざした喫茶文化と、スペシャルティコーヒーの専門性が融合した店名です。

 

生豆からカップへ──五感で楽しむ空間づくり

「金澤ちとせ珈琲 長坂台店」さんの大きな特徴は、「コーヒーが生豆から1杯の液体になるまで」をお客様が体感できるように設計されている点です。

コーヒーができるまでのプロセスは以下の通り
①栽培(育てる)
②収穫(実を摘む)
③精製(実から豆を取り出す)
④乾燥・選別
⑤輸出(世界へ)
⑥焙煎(ロースト)
⑦挽く(粉にする)
⑧抽出(淹れる)

このうち「⑥焙煎」から「⑧抽出」までを、店内でリアルに感じられるのが、「金澤ちとせ珈琲 長坂台店」さんならではの魅力です。

焙煎室には大きな焙煎機と生豆がずらりと並び、焙煎された豆が店内に香り立ちます。

 

スペシャルティコーヒーとは──その「背景」までも味わう

メニューには、産地・農園・品種・精製方法・風味といった詳細な情報が記載されており、目に見えない背景を補ってくれます。

スペシャルティコーヒーとは、単に「おいしい」だけでなく、その美味しさを生み出す人・土地・工程が明確であること=トレーサビリティが求められるコーヒーです。

「コーヒーができるまで」を知ることは、味の奥行きを感じる大きな手がかりになります。

「生豆からコーヒーができるまでの一連の過程を楽しんでいただけたら嬉しいです。」

器具、香り、音、手の動き──すべてが五感を刺激し、コーヒーの奥深さに自然と惹き込まれていきます。

 

選ぶ楽しさ、味わう自由。コーヒーをもっと“自分のもの”に

店内には20種以上の豆が揃い、シングルオリジンブレンドの両方を楽しめます。

シングルオリジン:特定の農園や地域で採れた豆のみを使ったコーヒー。その土地ならではの風味や個性がストレートに楽しめます。

ブレンド:複数の豆を組み合わせ、狙った味わいを表現。店の個性や思想が反映されます。

抽出方法もまた、目的に応じて変えられています。
たとえば、シングルオリジンは、香りをしっかり引き出せるサイフォンで。ブレンドはハンドドリップで繊細に味を調整。希望があれば、抽出方法を変更することも可能で、フレンチプレス変更や、アイスコーヒーにも希望があれば豆を選んで対応してもらえます。

棚にはさまざまなドリッパーが並び、「このドリッパー使ってみたいです」と尋ねれば、余裕があれば実際に抽出してくれることもあるそう。

「お客様のやってみたいにはできる限り応えられるようにしています。」

その考え方は、お客様それぞれの楽しみ方を尊重することにつながります。
「今日はサイフォンで」「酸味は苦手かも」「家で再現したい」──そんな言葉に、スタッフが自然体で寄り添ってくれる場所です。

「コーヒーは嗜好品ですから。だからこそ、いろいろな楽しみ方があっていいと思うんです。」

 

“コーヒーをもっと好きになる”、そのはじまりに

「わからないことがあれば、遠慮なく聞いてくださいね」
ちとせ珈琲のスタッフがくれるこの一言には、コーヒーへ真摯に向き合う姿勢と、お客様へのまなざしが込められています。

ここは、日々の暮らしにふと余白をくれる場所。
そして、あなたのコーヒーライフが少しだけ豊かになる、その最初の1歩を照らしてくれる場所です。

公式インスタグラムもチェックしてみてくださいね。

INFORMATION

店名:

金澤ちとせ珈琲 長坂台店

住所:

石川県金沢市長坂台1−41
(駐車場15台)

電話番号:

076-287-3083

営業時間:

9:00〜19:00

定休日:

火曜日

一人当たりの予算:

〜¥1,000

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。

WRITTEN BY
ほしのつづみ

ほしのつづみ

ライター

現在コーヒー専門店でアルバイトをしています。コーヒーが好きでいろんなカフェに行くことが多く、店主が表現したいコーヒーの価値観や、そのお供のデザートとのペアリングを楽しんだり、店内のレイアウト空間や接客スタイルをみて、心の中でおおっ!と心が躍る瞬間があり、そんな気持ちになれる金沢のお店の魅力をこれから届けていきたいと思います。