
幸町|和の味に新たな風が吹く──丁寧な和の手仕事、ここに極まる。繊細な本格和食「和ダイニング しろべえ」
夏の金沢、風がやわらかく通り抜ける幸町に、ひとくちで心をほどく和食があります。
湯気の立つごはん、ふわりと立ちのぼる出汁の香り。
焼きの音、包丁の響き、湧きたつ湯気と、手仕事のぬくもり。
丁寧に、静かに、そして確かに、季節の命を活かした料理が生まれる場所──
それが「和ダイニング しろべえ」さんです。
ランチで訪れる人にも、夜ふらりと立ち寄る人にも、
心と舌にやさしく沁みる、和のひとときを届けてくれます。
さあ今日は、そんな「しろべえ」さんの料理に出会いに行きましょう。
目次
温泉旅館仕込みの本格和食を、ふらりと。金沢・幸町で和を味わう、丁寧な手仕事の美しさ。「和ダイニング しろべえ」
四季の恵みを、まっすぐに。
和の味に新たな風が吹く──「和ダイニング しろべえ」さん。
今年7月、竪町から幸町へ。
白壁に瓦屋根、すっきりとした暖簾が出迎える「和ダイニング しろべえ」さん。
2021年竪町商店街にオープンし、この夏、幸町へ移転しました。鱗町交差点近く、マルエーmini幸町店のお向かいです。
温泉旅館で研鑽を積んだ店主が、季節の素材を活かし、丁寧に仕立てた和食をカジュアルに楽しませてくれる、注目の1軒です。
店内は、竪町時代と比べてぐんと広々。
カウンターに加えてテーブル席も増え、グループやご家族での利用にもぴったりです。
さらに店舗前には駐車場もあり、車での来店もしやすくなりました。
落ち着いた色調の空間に、すっきりと整えられた木のカウンター。
料理人の手元がのぞく厨房の小窓からは、和の技が静かに伝わってきます。まるで旅館の1室に招かれたかのような、静かで心地よい時間が流れます。
「しろべえ」といえばこのぶりステーキ丼!
●ぶりステーキ丼ランチ 1,600円
※掲載の価格は全て2025年7月時点のオープン記念価格です。今後、仕入れ状況や季節により変更となる可能性がありますので、最新情報は店舗までご確認ください。
「しろべえ」さんが目指すのは、本格和食をもっと身近に、もっと気軽にというスタイル。 敷居は低く、けれど味は本物。そんな“ほどよい贅沢”が、このお店の魅力です。
中でも目玉は、店主が旅館時代に大きな団体キャンセルを受けたときに「このブリをどう活かすか」とひらめいたという、まさに人生の中で生まれた渾身の1皿・ブリ丼。 地元・金沢の醤油を使った甘辛く深みのあるタレをまとったブリが、大根のシャキシャキ感と絶妙に絡みます。
ふっくらと焼き上げられたブリに絡むのは、地元の醤油をベースにした甘辛く深みのあるタレ。 実はこのタレにはほんのりとバターのコクが効いていて、それが口の中でブリの旨みと絶妙に混ざり合い、香ばしさを一層引き立てます。
シャキシャキの大根と一緒にご飯をかきこめば、箸が止まらなくなること間違いなし。このタレがしみ込んだごはんが、とにかく旨い! 最後のひとくちまで「また食べたい」と思わせてくれるクセになる味です。他にないブリの旨みを味わうなら、この1杯。タレ・焼き・米、すべてが計算された絶品の“看板丼”です。
竪町時代からの看板メニューとして地元のファンも多く、移転後も変わらず愛されている理由が、ひとくちで伝わります。
見た目も味も、丁寧の極み。季節の刺身定食
●刺身定食 2,200円(写真提供:しろべえ)
見た目も味も、丁寧の極み。季節の刺身定食 「しろべえ」さんのもうひとつの看板、それがこの刺身定食。季節ごとに仕入れる地物の鮮魚を中心に、その日いちばん状態の良いものを、まるで料理旅館のような丁寧さで盛り込んだ1皿です。(刺身の内容は仕入れ状況によって変わります。)
マグロ、甘エビ、鯛、カンパチ、炙り…と、皿の上で織りなす五感で味わう贅沢。
それぞれの魚に合わせた切り付けと厚みに、店主の細やかな仕事が光ります。
添えられた小鉢や汁物、香の物まですべてが和食の基本に忠実で、ひとつひとつがきちんと美味しい。
箸を置くたび、心がととのうランチタイムになりますよ。
静かな感動が広がる、1品料理
●ほたての昆布締め 1,500円
こちらはお酒のアテにもぴったりな1皿、とろける旨みが広がる、ホタテの昆布締め。
肉厚なホタテを、昆布でじっくりと〆たホタテの昆布締めは、「しろべえ」さんならではの繊細な仕事が光る1品です。
昆布の旨みがじんわりと染み込み、とろけるようなホタテの甘みがジュワッと広がる!
噛むほどにふくらむ味の重なりは、刺身とはまた違う“和の粋”を感じさせる仕上がり。つややかに盛られた姿にも、丁寧な手仕事が見て取れますね。
そして嬉しいのは、添えられた昆布まで美味しく、お酒にもよく合うということ。ひとくちごとにしっかりと旨みが感じられ、酒飲みの心をわしづかみにするような存在感があります。
冷酒とともにゆっくり味わいたい、夏の夜がぐっと深まる──そんな余韻まで美味しい逸品です。
●海鮮カルパッチョ 1,800円~
和の繊細さと洋の華やかさが、絶妙に調和した1皿。
その日の鮮魚を贅沢に盛り込んだカルパッチョは、トマトとガーリックを効かせた特製ソースでいただきますよ。
とろけるような白身に、炙りの香ばしさ、脂ののったサーモンやタコの歯ごたえ…。
魚の持ち味をひとつずつ活かしながら、酸味と旨みのバランスが絶妙なソースが全体をまとめていてどんどん箸が進みます。
彩りも美しく、レモンとトマトが食欲をぐっと引き立ててくれます。
「しろべえ」さんならではの感性が光る、ちょっぴり贅沢なカルパッチョです。
●夏野菜と季節のグラタン・自家製ホワイトソース 1,600円(※夜限定メニュー)
「しろべえ」さんで根強い人気を誇る洋のメニュー、それがこちらの季節野菜のグラタン。
焼き立ての香ばしいチーズの香りに、うっとり…。食べる前から幸せな気持ちになりますね。
季節によって変わる野菜は、その時いちばん美味しいものを厳選。この日はズッキーニ、ナス、トマトなど、色とりどりの夏野菜がごろりと乗っていました。
中にはホワイトソースがたっぷりと絡んだ具材と大きなベーコンが隠れていて、ひとくちめから熱々とろとろの幸せが広がります。
「和食屋さんのグラタンって、こんなに丁寧なんだ」と驚くほど、優しくも満足感のある味わいです。季節がめぐるのが楽しみになる定番メニューです。
●サーモンムニエル 1,200円
ふっくら焼きたて。和の技術をベースに、洋の味わいを絶妙に取り入れた1皿。
このサーモンのムニエルは、「しろべえ」さんの“和ダイニング”という枠を、心地よく超えてくるメニューです。
カリッと香ばしく焼き上げたサーモンは、外はこんがり、中はふっくら。脂がのった旨みを引き立てるのは、バジル香るクリーミーソースと、さっぱり爽やかなトマト系ソースの2種仕立て。それぞれを交互に楽しむことで、最後まで飽きることなく、むしろもう1切れ…とフォークが進みます。
添えられた玉ねぎのシャキッとした食感と、レモンの酸味もアクセント。見た目にも美しく、ランチにもディナーにも嬉しい1皿です。
イチオシ!金沢の宝石、甘海老を唐揚げにしたら旨さ倍増
●甘海老の唐揚げ 1,200円
そして私が絶対に注文するのがこれ! 頭からがぶり…香ばしさ弾ける、甘海老の唐揚げ。
見てください、この立派な甘海老を。
香ばしく揚がった殻の音と、海老の甘みがじゅわっと広がり、一度食べたら忘れられない、「しろべえ」さんの名物メニューのひとつです。
まず驚くのはそのサイズ感!この大きさの甘海老はなかなかお目にかかれません。
大ぶりで食べごたえたっぷりながら、頭から尻尾まで丸ごと楽しめる繊細な揚げ加減は、まさに職人技。
殻ごとの香ばしさと、噛んだ瞬間に広がる海老の濃厚な甘みが一体となり、ガブリといくたび、口の中が甘エビでいっぱいに!う~ん、たまらん、五感が暴れます。
冷たいビール、キリッとした冷酒と合わせて、大人のごちそう時間を!
メニューに並ぶのは、店主が仕入れから吟味した旬の食材たち。
ひと皿ひと皿に、今日だけの出会いが詰まっています。
人のぬくもりが味になる場所
「和ダイニング しろべえ」さんの魅力は、料理だけにとどまりません。
店主・服部さんは「肩ひじ張らずに、和を楽しんでほしい」と、温泉旅館で磨いた技術を惜しみなく注ぎ、繊細で丁寧な思いをひと皿に込めています。
そして右にいらっしゃるのが、私も大ファンのお母さま。ユニークであたたかみのある接客で、訪れた人の緊張をすっとほどいてくれる愛らしい存在です。
料理の説明も、お酒のおすすめも、親しみと笑顔が添えられて、なんだか実家に帰ってきたような心地よさでした。
料理のおいしさに、人のあたたかさが重なって、またここに帰ってきたくなる。
そんなお店が、金沢・幸町の「しろべえ」さんです。
ランチでは丁寧な定食を、夜にはふらりと立ち寄って、金沢の恵みに感謝しながら、グラスをかたむける。心がほどけていくこの時間こそが、「しろべえ」さんの魅力。
おいしさにそっと酔いしれる夜が、ここにはあります。
INFORMATION
店名:
和ダイニング しろべえ
住所:
石川県金沢市幸町2-2 スカイハイツ1F
(駐車場5台)
電話番号:
090-9607-8815
営業時間:
ランチ 11:30~14:00 L.O
ディナー 18:00~22:00 L.O
定休日:
月曜日(月曜が祝日の場合は翌日の火曜日)
一人当たりの予算:
¥2,000~
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