3.11に考える。その時、あなたは動けますか? 救急車が来るまでの現場対応を伝える学生団体「ACLS金沢」
東日本大震災から15年。3.11は、私たちにとって命の尊さを再確認する大切な節目です。
「もし今、目の前で大切な家族が倒れたら……」そんな時に自信を持って動ける方はどれくらいいるでしょうか。
金沢大学の学生団体「ACLS金沢」は、現役の医学生たちが中心となり、救急医療や災害医療を実践的に学ぶサークルです。
能登半島地震を経験し、救命の重要性が再認識される今、彼らは自分たちの学びを「地域を守る力」に変えようと、その知識を広めています。
「ACLS金沢」副サークル長の藤木さんにお話を伺いました。
目次
祈ることしかできない瞬間を、ゼロに。学生たちが挑む救命「ACLS金沢」
救急・災害医療を「実技メイン」で学ぶ
「ACLS金沢」は、救急医療の勉強、特に実技メインの練習をするサークル。それにプラスして、災害医療にも力を入れています。

現在、約40名の学生が活動中。現場の医師や看護師の動きを忠実に再現する本格的なシミュレーションを通じて、救命スキルを磨いています。

近隣大学との防災イベントへの参加や、中学校・地元のスポーツチームへ出向いての救命講習など、地域に根ざした活動を展開中。「もしも」の時に動ける人を増やすため、日々精力的に活動しています。

ところで「ACLS」ってなに?
サークル名にもなっている「ACLS」。日本語では「二次救命処置」(Advanced Cardiovascular Life Support)と呼ぶそうです。
藤木さんはこう教えてくれました。 「サークル名にも入っているACLSというのは、資格の名前なんです。普通は卒業して臨床に出てから病院内で取る人が多いですが、私たちは学生のうちから知っておこうということで、みんなで勉強しています」

AEDや胸骨圧迫は「一次救命処置」と呼ばれますが、ACLSはその1歩先。
点滴や薬の投与、高度な器具を使った気道確保など、病院内のプロが行う処置を指します。
「自分に何ができるか」を問い続けて
大阪出身の藤木さん。幼い頃から「南海トラフが来る」と言われて育った世代だといいます。
「その時に自分は何ができるんだろうとか、正義感が強めの性格でもあるので、自分自身もできることを増やしたいという思いがありました」

そんな想いは、能登半島地震を経てさらに強まりました。
「もしボランティアに行った先で何かあっても対応できるように、災害ボランティアの団体に救命講習を行いました。将来的に医療従事者として災害に関わるとなった時に、少しでも知識を持った状態で動ける人たちが増えたら、状況は変わるのではないかと思っています」
いざという時のために知っておきたい、緊急時の判断基準
子育て世代にとって気になるのが、子どもの急病時の対応です。
「1歳前後ぐらいの赤ちゃんをお持ちのお父さん・お母さん向けに、救命講習をやったことがあります。小さい子ってどの状態が救急車を呼ぶべきかわかりづらいところもあるので、『こういう頼りになるアプリがありますよ』と紹介したり、『これは救急車を呼んだ方がいいですね』と話をしたり」
この講習は非常に盛況で、多くの親御さんが「いざという時の判断基準」を求めていることを実感したそうです。
知ってさえいれば、行動できる
最後に、藤木さんは顧問の先生から教わったという、心に響く言葉を教えてくれました。
「救命の処置において、勝負は救急車が来るまでの段階でほとんど決まっているんだ、と」
適切な処置がなされていない場合、病院に運ばれてきても「医者は祈るしかないほど、できることは少ない」という、長年救急医をしている先生の言葉。
初期処置が行われていたかどうかで、その後の生存率は何十倍も変わってくるのです。
「声をかけていただけたら、救命講習をすることもできます。ぜひ皆さんに関心を持って救急対応を知ってほしいというのが願いです」
その言葉からは、医療のプロを目指す者としての責任感と、地域全体で命を守りたいという熱い想いが伝わってきました。

救急車が到着するまでの数分間、そこに居合わせた私たちが「何を知っているか」で、救える命があります。「ACLS金沢」の皆さんは、その「数分間の勇気」を支えるために活動しています。
彼らの活動に興味を持たれた方は、ぜひ公式インスタグラムを通じてつながってみてください。
大切な人を守るための第1歩を、学生たちと一緒に踏み出してみませんか。

ちなみに、金沢大学で毎年秋に開催される「医学展」は、学生たちの活動を間近で見られるだけでなく、医療体験もできる貴重な機会。
大人も子どもも楽しみながら学べるので、家族でのお出かけにもおすすめです。

特別な知識がある人だけが動くのではなく、誰もがそっと手を差し伸べられる街へ。
この記事が、そのための小さなきっかけになりますように。
INFORMATION
※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。







