【Relation】石川県の中小企業経営者インタビュー vol.30|警備業「株式会社 トルク」松本真氏

【Relation】石川県の中小企業経営者インタビュー vol.30|警備業「株式会社 トルク」松本真氏

2024年7月に設立された「株式会社トルク」は、警備・防災・森林管理という3つの軸で、従来の枠組みを超えた「地域の守り手」を目指しています。
能登半島地震の際、思うように動けなかったもどかしさが創業の原点。
代表取締役の松本真(まつもと・まこと)氏に、事業にかける想いと今後の展望を伺いました。

警備・防災・森林管理で、地域を守る

株式会社トルクの代表取締役・松本さん

石川の復興の力になりたい

─ まずは、2024年7月の創業から現在に至るまでの経緯を教えてください。

創業して日は浅いのですが、これまで携わってきた「危機管理」という分野をより深掘りしたいという思いでスタートしました。
そこに家業である森林事業を組み合わせ、事業に幅を持たせた形です。

きっかけは、やはり能登の震災です。

私はこれまで危機管理分野で長年警備や防災の現場に携わってきましたが、いざ震災が起きたとき、自分個人としては思うように動くことができなかった。そのもどかしさもあり、「それなら自分でやってしまおう」と考えたのが始まりです。

微力ではありますが、地元石川の復興に少しでも力になりたいという思いでした。

─ そのもどかしさが今の事業の原点になっているんですね。現在展開されている「3つの柱」の業務内容について、詳しく伺えますか。

警備、防災、森林の3つですね。

株式会社トルクの代表取締役・松本さん

まず警備は、施設警備や交通誘導に加え、ボディーガード等の身辺警備の認可も取得しています。
地方ではまだ身辺警備の依頼は多くありませんが、私は前職での経験がありますので、その知見を活かした若手育成に力を入れています。

次に防災については、主に中小企業のBCP(事業継続計画)の策定支援をしています。
まだ浸透していない分野ですが、危機に直面した際に事業を止めないための計画策定サポートをしています。
「BCP策定支援」という新規事業を通して今までにない新しい出会いも生まれますし、地域にとっても絶対に必要な活動だと思って取り組んでいます。

森林に関しては、もともと家業として代々続く持ち山があり、育林やキノコ栽培をしていました。
現在は事業拡大を目指し、山林伐採の依頼を受けたり、金沢市内の大学や企業の敷地を管理する「グリーンメンテナンス(除草作業)」を担当したりしています。

また、資源を活かした商品開発も行っています。
里山に自生するクロモジやタムシバの枝葉を蒸留し、アロマオイルを抽出するんです。
山育ちの私でも、大人になって初めて「木ってこんなにいい香りがするんだ」と驚き、目から鱗が落ちる思いでした。
これをルームフレグランスにしたり、金沢市内のホテルにサウナ用として提供したりしています。

株式会社トルクが手がけるアロマ蒸留水

 

「本音」の関係が強い組織を作る

─ 業界全体の現状や、将来についてはどうお考えですか。

どの業界も人材不足が課題ですが、3つの事業を組み合わせることで、働く人が自分に合った仕事を見つけられる環境を作りたいと思っています。

警備もAIやDX化で働きやすくなっていますし、防災は日本において不可欠な分野です。
地に足をつけて伸ばしていきたいですね。

─ 経営理念として大切にしていることを教えてください。

「安全は技術」です。
当たり前のことを当たり前にこなす。これを従業員とも共有しています。

接し方で気をつけているのは「本音で話せる関係づくり」です。
表面的な付き合いだけだと、有事の際に心が離れてしまう。最後は人と人との心の繋がりですから、私自身の思いもしっかり伝えるようにしています。

(写真提供:株式会社トルク)

─ 従業員はどのようなメンバーで構成されているのでしょうか。

現在は25名ほどです。一番下は18歳、上は80歳の大先輩がいます。
80歳の方は警備経験が豊富で、私を心配して「手伝うよ」と手を挙げてくれました。

平均年齢は偶然にも私と同じ41歳。幅広い世代が活躍しています。

─ 素晴らしいですね。現場での印象的なエピソードがあればお聞きしたいです。

初めて警備員が10名以上必要な、大きなイベントの警備をやり遂げたことですね。
お客様から感謝の言葉をいただいて、従業員と喜びを分かち合えた時は本当に嬉しかったです。

株式会社トルクの警備の様子

(写真提供:株式会社トルク)

─ 教育面で、特に力を入れていることはありますか。

警備の法定研修に加え、AEDの教育をかなり重点的にやっています。
AEDは正しくパッチを貼れば、電気ショックが必要かどうかは機械が自動で判断してくれるんです。

救急車が到着するまでの数分間、ただ待っているだけではない、確かな救急スキルを持った付加価値の高い警備員を育成したいと思っています。

誰かがしっかり使えれば、大切な命を救うことができるので、重点的に指導しています。

 

共に回る組織を目指して

株式会社トルクの代表取締役・松本さん

─ 最後に、今後の展望を教えてください。

私は最近、組織というのは上下のピラミッドではなく、中心に私がいる「平面の輪」だと思っています。

社名の「トルク」とは回転する力のこと。中心にいる私が誰よりも速く回ることで、その力が外側へ伝わり、周囲を巻き込んでいく。常にトップスピードの回転を心がけています。

今後はさらに警備、防災、森林の仲間増やしたいですね。3分野を中心に、各分野を掛け合わせることで、たとえば災害時にチェーンソーで倒木を処理しながら人命救助もできる、そんな「特殊なプロフェッショナル」を育成したいと考えています。

多角的なスキルを持ち、社会に役立つ人を増やしていく。そして従来の概念を超えた「地域安全技術会社」として、地域にとってなくてはならない企業へと成長していきたいです。

 

株式会社トルクのロープワーク実演講座

ロープワーク実演講座なども行う

株式会社トルクの制服

設立:2024年7月23日

事業内容:警備事業・防災事業・森林管理事業

INFORMATION

店名:

株式会社 トルク

住所:

石川県金沢市駅西新町2丁目9番1号

電話番号:

076-255-3266

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。