片町|「新天地」のディープな横丁へ。故郷のように温かな「スタンド秀(ひで)」 

片町|「新天地」のディープな横丁へ。故郷のように温かな「スタンド秀(ひで)」 

金沢・片町のきらびやかな表通りを背に、1歩足を踏み入れればそこは別世界。迷路のように入り組んだ細い路地に提灯が揺れる、金沢屈指の横丁「新天地」にたどり着きます。

その一角、昭和レトロな色香が漂う扉の先に待っているのは、初めてなのにどこか懐かしい「スタンド秀」さん。今夜は、知る人ぞ知る横丁のディープな夜を楽しみながら、心まで解きほぐしてくれる故郷のような温かなひとときをご案内します。

都会の喧騒を忘れる場所。片町・新天地「スタンド秀」

片町から徒歩3分!「新天地」の路地裏で「スタンド秀(ひで)」さんを見つけるまで

北陸随一の歓楽街、金沢・片町。スクランブル交差点からすぐの脇道へ1歩踏み込むと、昭和30年代から時が止まったような「新天地」が広がっています。「スタンド秀」さんは片町バス停から徒歩3分。しかし、迷路のように入り組んだ路地をゆく時間は、数字以上の奥行きを感じる冒険そのものです。間口1メートルほどの狭い通りには、軒を連ねる店々の看板が重なり合うように灯り、横丁特有の夜を演出しています。

初めてなら、Googleマップを閉じて、その温かな光の漏れる方へと身を任せてみてください。迷い込んだ路地の先でふと目に入る「秀」の文字。その瞬間の安堵感こそが、この街を訪れる楽しさと言えるでしょう。

 

提灯のあかりに誘われて。初めてでも「ただいま」と言いたくなる、カウンター8席の温かな空間

路地裏になじむ石造りの外壁と、端正な書体で「スタンド秀」と書かれた看板。その控えめなあかりに導かれ、縦格子の扉をそっと開けると、飴色に輝く木目調の壁が美しい、情緒豊かな空間が広がります。

店内は、使い込まれたカウンター席がわずか8席ほど。和風のペンダントライトが手元をやわらかく照らし、壁には虎の絵画や「DAM(ダム)」のスピーカーがならぶ、まさに「正統派の和風スタンド」といった趣です。この心地よい「近さ」があるからこそ、初めて訪れた人でも、2代目店主・美智子さんや隣のお客さんと自然に言葉を交わすことができます。豪華すぎず、かといって古びない。隅々まで手入れされた空間に身を置くと、まるで実家へ帰った時のような、心地よい安堵感に包まれます。

 

セット料金3,000円(税込)~で心ゆくまで。手作り料理とカラオケで喉を鳴らす「スタンド秀」さんの嗜み方

予算の不安なく楽しめるのが、ここ「スタンド秀」さんの良さ。基本セット料金は3,000円(税込)~と明快です。決まったメニューはなく、訪れた人の「おなか具合」に合わせてそっと出す手作り料理には、細やかな心遣いが光ります。

夜を彩るのは、精密採点機能を備えた最新のカラオケ。モニターに踊る高得点ランキングが、横丁の夜をにぎやかに演出します。

棚には「いいちこ」や「黒霧島」、「サントリー角」などのボトルが所狭しと並び、この店が愛されてきた歴史を物語っています。

安心の価格で歌い、食べ、飲み、語らう。そのすべてが凝縮された「ちょうど良さ」こそが、多くのファンをひきつけて離さない理由です。

 

おひとりさまでも大丈夫。出汁の染みた自慢の1皿とお酒に酔いしれる、新天地のディープな夜

1人飲みの夜、そっと差し出されるのは、お出汁が芯まで染みた大根や厚揚げ、ちくわのおでん。そのやさしい湯気とあかりに、こわばっていた心がふっととけます。

さらに、金沢の家庭料理である「大根の古里煮」が登場。飴色に炊かれた大根の深い味わいは、まさにふるさとを思い出すおいしさです。

どこか懐かしいソースの香りが食欲をそそる焼きそばもほおばりながら、自分好みの1杯を流しこむ。

家庭的な料理となじみの酒、そしてカウンター越しに何気ない世間話を交わしていると、ここが初めての店だということを忘れてしまうほどです。
「新天地」というディープな路地裏で、これほどまでに肩の力を抜き、自分自身をリセットできる場所。 それは、先代から守り続ける「飾らない温かさ」があるからこそだと実感しました。

 

65年の歴史を繋ぐ。先代・秀子さんの見守るカウンターで、2代目が灯し続ける温かな場所

壁に掲げられた1枚の絵画。それは、新天地で65年もの歳月を刻んできた先代・秀子(ひでこ)さんのやさしいほほえみです。そのまなざしに見守られながら、いまは2代目がそののれんと想いをしっかりと守り続けています。

美智子さん

2代目店主

美智子さん

カウンターの奥で、ほがらかな笑顔で迎えてくれるのが2代目の美智子(みちこ)さんです。

新天地で65年愛されてきた看板を守りつつ、訪れる 1人ひとりの表情をさりげなく見守るその姿は、まさにこの場所の「お母さん」。決まった献立を作らず、その時の「おなか具合」を聞いてから手料理を用意してくれるスタイルには、美智子さんの深いホスピタリティが詰まっています。

先代である秀子さんが築き上げた歴史を大切にしながらも、初めての客でも自然と会話の輪に入れるような、軽やかで温かな空気感を作ってくれます。美智子さんとの何気ないおしゃべりと、そっと出されるやさしい味の料理。その心地よさに触れれば、誰もが「また明日から前向きに頑張ろう」という気持ちで店を後にできるはずです。

カウンターの奥で、ほがらかな笑顔で迎えてくれるのが2代目の美智子(みちこ)さんです。

新天地で65年愛されてきた看板を守りつつ、訪れる 1人ひとりの表情をさりげなく見守るその姿は、まさにこの場所の「お母さん」。決まった献立を作らず、その時の「おなか具合」を聞いてから手料理を用意してくれるスタイルには、美智子さんの深いホスピタリティが詰まっています。

先代である秀子さんが築き上げた歴史を大切にしながらも、初めての客でも自然と会話の輪に入れるような、軽やかで温かな空気感を作ってくれます。美智子さんとの何気ないおしゃべりと、そっと出されるやさしい味の料理。その心地よさに触れれば、誰もが「また明日から前向きに頑張ろう」という気持ちで店を後にできるはずです。

金沢の歴史とともに歩んできた老舗でありながら、決して敷居を感じさせない。扉を開ければ、初めての僕も常連さんも等しく、まるで帰省した時のような「おかえりなさい」の空気に包まれました。

「新天地」の路地裏に灯るそのあかりは、単にお酒を飲む場所ではなく、明日への活力をそっとチャージしてくれる僕たちの拠り所。金沢の夜を締めくくるなら、この温かなあかりをそっと覗いてみてください。そこには、1人でいても、誰かといても、不思議と心が満たされていく最高の時間が待っています。

INFORMATION

店名:

スタンド秀

住所:

石川県金沢市片町2丁目4-3
(駐車場なし・近隣にコインパーキングあり)

電話番号:

080-9830-1471

営業時間:

18:30~翌1:00

定休日:

日曜日 ※要確認

一人当たりの予算:

¥3,000~¥4,000

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。

 

WRITTEN BY
タカフミ

タカフミ

ライター

はじめまして、タカフミです。 東京からUターンして金沢市に戻り、今は在宅フリーランスのライターをしています。やっぱり地元が落ち着くなと感じながら、日々の暮らしや発見を記事にしています。 地元のお店やスポットの魅力を「その場の空気感」や「人の声」と一緒に伝えるのが好きです。食べ歩きで感じたことや店主さんのこだわりを掘り下げて、読んだ人が「ここ行ってみたい!」と思えるような文章を目指します。