泉野出町|ドイツ人シェフが焼く本格ドイツパンと朝ごはん。ベーカリー&カフェ「gemütlich(ゲミュートリヒ)」
金沢市泉野出町。閑静な住宅街の一角に、ふわりとふわりと食欲をそそる香りを漂わせる場所があります。そこは、本格派ドイツ人シェフが手がけるベーカリー&カフェ「gemütlich(ゲミュートリヒ)」さん。
身体にやさしい素材選びや、店主デニスさんの温かな人柄、手作りジャムやドイツ料理の魅力。
朝食にもランチにも寄りたくなる、金沢で出会える本場仕込みの味わいを紹介します。
目次
心地よい朝を、ここから。泉野出町で見つけるドイツのぬくもり「gemütlich(ゲミュートリヒ)」
泉野出町に佇む、温かなガラス張りのベーカリー
金沢市泉野出町。コインランドリーZABOONさんの向かい、クリーンハイム高田の1Fに「gemütlich」さんがあります。

全面ガラス張りの外観からは、店内にずらりと並ぶパンと、温かな光が漏れ出し、通りかかる人の心をそっと掴みます。

駐車場も3台完備。


ドアの先には、今日のおすすめメニューや営業カレンダーが貼られており、訪れる人を優しく迎えてくれます。

黒パンの日の案内も掲示されていました。

朝の空気に似合う、明るく「心地よい空間」
店内に入ると、心落ち着くBGMと焼き立ての香りに包まれます。

「gemütlich」とは、ドイツ語で「心地よい」という意味。
その名の通り、朝の忙しさを忘れさせてくれる穏やかな空気が流れています。

9時前に訪れた時点で、朝食を楽しむ人やパンを買いに来る人が次々と出入りしており、早い時間から地域に親しまれている様子が伝わってきていました。

常連の学校の先生がご家族分のパンを買い求める姿や、ドイツ人のお客様が談笑する姿……。

そんなふうに店主のデニスさんが作る料理は、この街の人々の日常に深く溶け込んでいます。
こだわりのドイツパンと、魔法のような自家製ジャム
「gemütlich」さんのパンは健康を第一に考え、あえて普通の小麦粉は使わず「スペルト小麦」「全粒粉」「オーツ麦」「ライ麦」を厳選。


全粒粉100%のバゲットや、土日祝限定のラウゲンブロートヒェン、不定期提供の黒パンなど、約100種類以上のパンから日替わりで数種類が並びます。




また、お店の「自家製ジャム」も必見です。
レモンを多用し、甘さをリセットする工夫が施されたジャムは、ペクチン控えめ。八角が香るリンゴジャムや、トマトジャム、チリを加えたパイナップルジャムなど、料理のアクセントにもなる独創的な美味しさです。

今まで作った中で特にお気に入りのジャムは「リンゴとゆず」と「パイナップル」だそうです。
今後作ってみたいのは「ローズマリーとリンゴ」や「ミント」のジャムとのことで、ジャムづくりを心から楽しまれている様子が伝わってきました。ミントと聞くと意外に思われるかもしれませんが、実は世界の料理では広く使われているそうです。今後お店の店頭に並ぶことがあるかもしれません。今から楽しみですね!
朝食からドイツ風カツレツまで。何度も通いたくなるドイツパンの店の絶品メニューをご紹介!
店内ではパンのテイクアウト以外に、ブレックファースト、ランチなどをイートインできます。
手前にはカウンター。

奥には3席あります。

今回は、ブレックファースト、ランチ、シュニッツェルをいただきました。
※メニューの内容や価格は、仕入れ状況や時期により変動する場合がございます。最新情報は店頭にてご確認ください。
●ブレックファースト「お好きなパン(小)+生ハム+スクランブルエッグ+ドリンク」 
パン「全粒粉100%ひまわりのたね」
パンは4種類の中から選べます。(※パンは日替わり)
今回は全粒粉100%の「ひまわりの種」入りパンを選びました。ザクザクとした種が香ばしく、しっかり噛むほど味が出るタイプ。
左上:八角リンゴのジャム、右上:バター
左下:生ハム、右下:やぎのチーズ

塩を使っていないバターはまろやか。やぎのチーズはクセが少なく食べやすい仕上がりです。生ハムとチーズをパンにのせて食べましたが相性抜群でした。
八角リンゴのジャムは、口に入れた瞬間にりんごの香りがふわっと広がり、角切りのシャリッとした食感も楽しめます。
スクランブルエッグ
王道のスクランブルエッグ。温かくふんわりとした食感は、パンに合わせても、生ハムと食べても違和感なく馴染みます。
ドリンク「アールグレイ」
砂時計が全て落ちたら、ティープレスのフィルターを押し下げます。
紅茶のアールグレイは香り高く、朝食によく合いました。
●フラムクーヘンランチ「お好きなフラムクーヘン+サラダ+スープ+ドリンク」
生ハムのフラムクーヘン 
フラムクーヘンとは、薄く伸ばした生地にサワークリームを塗り焼き上げた南西部の郷土料理。
生地にはパンと同様、スペルト小麦を100%使用しています。

フラムクーヘンは生地がパリパリで、ベビーリーフやサワークリーム、生ハムの組み合わせが軽やかです。
サラダ・カリフラワーのスープ(※スープは日替わり)
サラダは新鮮な野菜が美味しく、カリフラワーのスープは見た目以上にさらりとしていて、野菜の旨味がしっかり感じられました。
自家製アールグレイのティーソーダ
自家製のシロップをよく混ぜてから飲みます。
甘すぎず、食事の最後まで爽やかな味わい。
●シュニッツェルセット(お好きなパン+スープ+ドリンク)
ドイツの日常食、シュニッツェル。

豚肉を叩いて薄く伸ばすことで、日本のとんかつとは違うカリカリとした食感を楽しめました。使われているパン粉は自家製パンから作られたもの。体への優しさを感じるこだわりが嬉しい1品です。

ソースは「ピーナツ・醤油・ニンニク・レモン」の組み合わせ。
赤味噌を彷彿とさせるコクがありつつも、レモンの酸味で驚くほど軽やか。ペロリと完食してしまいました。(※ちなみにソース次第で呼び名が変わるそうで、きのこなら「イェーガー」、パプリカ・トマトなら「ツィゴイナー」と呼ぶそうです。)
アーモンド&クランベリーのパン
香ばしいスライスアーモンドと、甘酸っぱいクランベリーが絶妙にマッチ!食感も楽しいパンです。
とうもろこしのスープ
とうもろこし、牛乳、バター、塩のシンプルな構成。ポタージュとは異なるサラリとした口当たりで、コーンの粒感が残る自然な甘みが引き立ちます。塩胡椒が効いた、素材のコントラストを楽しむスープでした。
自家製フルーツティー(りんご)
数種類のフルーツの中から選べるノンカフェインティー。りんご、ハイビスカス、ローズヒップ、ラズベリーの華やかなブレンドです。カップに注ぐと広がる、甘いりんごの香り。砂糖不使用とは思えない、素材本来の強い甘みを堪能できました。
黒パンから甘いパンまで。麦の風味広がる、ドイツパン店のテイクアウト

●ジュヴァルツブロート(黒パン) ※写真は1/2サイズ
月に1度ほどしか並ばないという希少なパン。麦の風味をふんだんに使用しており、ハードな仕上がりです。

ずっしりとした密度と、ライ麦特有のぷちぷちとした食感が楽しく、噛み締めるほどに豊かな風味が広がります。
●左上:アーモンド&クランベリー
●右下:かぼちゃのタネ
●右上・左下:オレンジとチョコ
「アーモンド&クランベリー」は、スライスアーモンドとクランベリーの食感が楽しいパン。
「かぼちゃのタネ」は、あふれんばかりのかぼちゃのタネのザクザクとした香ばしい歯ごたえがたまりません。甘みを抑えた生地が麦本来の旨味を最大限に引き出し、シンプルながらも飽きのこない味わい。

「オレンジとチョコ」は、口に運ぶとオレンジの華やかな香りがふわりと広がります。オレンジピールの爽やかな食感とシナモンのほのかなスパイス。そしてチョコのコクが重なり合う贅沢な味わいでした。
ドイツ人店主Dennis(デニス)さんが語る、店づくりと金沢への思い
金沢で本格的なドイツのパンや料理を味わえる「gemütlich(ゲミュートリヒ)」さん。店主であるドイツ人のDennis(デニス)さんに、お店への想いや、彼がなぜ金沢でこの場所を開いたのか?そのストーリーを伺いました。

─ お店で大切にしていることは?
「身体に優しい食事」を1番に考えています。パンには消化しやすく血糖値が上がりにくい4種類の小麦を使用し、ランチには可能な限り石川県産の野菜を取り入れています。胃に優しく、食べた人が1日を頑張れるような料理を提供したいですね。
─ 「gemütlich(ゲミュートリヒ)」という店名の由来は?
金沢弁の「いんぎらーと(のんびり、ゆっくり)」と同じ意味です。お客様にとって、この場所が「心地よい空間」であってほしいという願いを込めました。

─ 日本、そして金沢でお店を開いた理由は?
実は、元々はエンジニアを目指していました。
しかし、自分の道ではないと感じていた頃、元弁護士という異色の経歴を持つ料理人と運命的な出会いを果たしました。初対面で「自分と似ている」と感じた店主のもとへ、なんと応募からわずか2時間後には弟子入りが決定。厳しい修業の日々を通じて、「料理を仕事にすること」の覚悟と楽しさを学びました。
日本へ来たきっかけは、本格的な日本料理の探求でした。当初は東京滞在を予定していましたが、当時は震災後の混乱期。そんな中、そのタイミングで入学できる日本語学校が金沢でした。そこで受けた地元の方々の温かい支援に深く感謝し、「この恩を金沢に返したい」という想いから、この地での開業を決意しました。 また、金沢には朝食から楽しめるお店が少ないと感じていたことも、ランチやブレックファーストをメインにした今のスタイルを作るきっかけになりました。
店主・デニスさんの素顔に迫る!自家栽培のハーブたち
人懐っこく、ユーモアあふれるデニスさん。お店には、バジルやミント、ブルーベリー、柚子の木まで、自家栽培の植物が豊かに育っています。


驚くことに、この柚子の木はたった1つの種から芽吹き、奇跡的に育ったのだそう。
「来年はブルーベリーでジャムを作りたい」と話すデニスさんは、まるで植物の成長をわが子のように見守っています。

ちなみに、私のミント栽培の話をしたところ、「ミントは雑草以上に増えるから、必ずポットで育てるべき!」と熱心なアドバイスも。そんな親しみやすさと、植物を愛するチャーミングな一面も、デニスさんの大きな魅力です。
美味しい料理と会話が重なる場所
初対面でも、常連さんでも、誰に対しても気さくに話しかけるデニスさん。他のお客様も交えて会話に花が咲き、心地よい時間を過ごすことができました。

「gemütlich(ゲミュートリヒ)」さんは、健康を気遣った進化し続けるドイツ料理と、デニスさんの温かい人柄に触れられる場所です。忙しい日常を忘れて、ゆっくりとしたひとときを過ごしに、ぜひ1度足を運んでみてください。
INFORMATION
店名:
gemütlich(ゲミュートリヒ)
住所:
石川県金沢市泉野出町2−22−2 クリーンハイム高田1F
(駐車場3台)
電話番号:
076-220-7125
営業時間:
8:00~17:00(ブレックファースト8:00~11:00、ランチ11:00~15:00)
予約・取置不可
定休日:
火・水曜日他(店頭貼紙、Instagramにてご確認ください)
一人当たりの予算:
お食事 ¥1,100~
※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。







