泉野｜品数なんと11品！和食の料理人の技が光る幸せランチ「酒菜 TERA寛」

豆皿合わせて11品！大満足のぜいたくランチ「酒菜 TERA寛（てらかん）」

閑静な住宅街に佇む和食店

大きな店舗や図書館などが並ぶ通りから1本裏へ入ると静かな住宅街が広がる泉野地区。そんな住宅街の一角に佇むこのお店、和食の道42年の料理人が営む名店なのです。

城南通りから1本入った細い通り、緑が丘の交差点の角にあるのが「酒菜 TERA寛（てらかん）」さん。バス利用なら「泉野1丁目」で下車して徒歩2分ほどです。黒壁に木の格子がかかったお店が見えてきます。

お座敷の個室もあるゆったりとした店内

中に入ると落ち着いた木のカウンター。ライトアップされた木目が美しい。お料理への期待が高まります。

奥にはゆったりとしたテーブル席とお座敷の個室が2つあります。お座敷があると小さいお子さんを連れたお客様も安心ですね。掘りごたつのある個室は年配の方にも喜ばれるそうです。

こちらに置かれた屋久杉のテーブルは、なんとご主人が手作りされたものだとか。凄すぎます。

冷蔵ケースの中にはなかなか珍しいお酒もそろっていました。石川のお酒を飲めるお店は多いので、あえて県外のお酒を取り寄せていらっしゃるそうです。ぜひ夜もお邪魔させていただきたいですね。

ランチのおすすめ！ 合わせて11品のTERA寛御膳

お昼の献立は4つの中から選びます。

今回はお目当ての「TERA寛御膳」をいただきました。時期によって変わる献立で、この日並んだのははちらし寿司と桜蒸し。メインのお料理や小鉢がたくさん並んで品数はなんと11品。お盆に入り切りません。

●TERA寛御膳 1,650円（税込）

（お品書き）

・ちらし寿司

・ふきのとうの天ぷら

・ひじき煮

・ほうれん草のお浸し

・さわらのお刺身と炙りしめさば

・お豆腐のふきのとう味噌のせ

・梅甘煮

・お味噌汁

・お新香と梅干し

・こんにゃくとがんも、南瓜の煮物

・玉ねぎの甘酢あえ、海老添え

・桜蒸しと三色団子

メインはふきのとうの天ぷら、独特の苦みとほのかな甘さが広がり味覚で春を感じます。家庭ではなかなか作る機会がないので、こちらで味わえるのは嬉しいですね。

お刺身は、さわらと軽く炙ったしめ鯖。桜の花をかたどった人参は甘く煮つけられていて美味しく、細やかな手仕事が光ります。豆腐にのせられたふきのとうのお味噌も自家製だそうです。

煮物は小鉢に3種入っており、がんもどきはたっぷりとお出汁を吸ってジューシー、こんにゃくはピリ辛、南瓜は優しいお味とそれぞれの味付けがしてあります。プロの料理人と比べるべくもありませんが、筆者宅では煮物は同じ鍋でまとめて作るため、どの具材も同じ味付けになってしまいます。なかなかこうは作れないと唸りました。小鉢1つとっても手を抜かないところがさすがです。

初めて食べる桜蒸しというお料理、デザートの桜餅かと思いきや餡子は入っておらず驚きました。道明寺粉を使って色付けしたものを桜の葉で巻いて蒸し、和風の餡がかけてあります。本当に手が込んでいます。

三色団子までついてまるでお花見をしているような楽しい気持ちになりました。なにより丁寧に作られたお料理をゆっくりいただける贅沢。これで1,650円とは、お値段以上の満足感です。

お料理だけにとどまらない物づくり

店主の吉國（よしくに）さんは京都と金沢で修業され、23年前ここ泉野にお店を構えられました。一度休業されていた期間がありましたが、縁あって同じこの場所で2020年9月より営業を再開され今に至るそうです。

吉國さんの探究心はお料理にとどまりません。焼き物の器を集め、ご自身でも作られるほど。店内入ってすぐの場所に飾られている木の看板も手作りだとか。趣味の領域を超えていると感じます。

何年か前に立派な美しい木製のカヌーがお店の前に置かれていました。コロナ禍で一時休業されていた際に制作されていたのだとか。興味のあることを突き詰めて探求する姿勢や美的センスがお料理の1皿に表れています。

職人技光るお料理で心も身体も満たされる「TERA寛」さんのランチ。あなたもぜひ味わってみてください。

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。