東蚊爪町|古民家に息づく知る人ぞ知る本格派。フランス修行の店主が焼く人気ベーカリー「Ouka(オウカ)」

東蚊爪町|古民家に息づく知る人ぞ知る本格派。フランス修行の店主が焼く人気ベーカリー「Ouka(オウカ)」

金沢中心部から離れ、のどかな田園風景の中に古民家をリノベーションしたベーカリー「Boulangerie Ouka(ブランジェリー オウカ)」さんがあります。
フランスで腕を磨いた店主が焼く本格派のパンは、連日多くのファンがパンを買い求める、愛される人気の味です。

田園の先にある「本物」。フランス仕込みの味を、金沢の古民家で。「Ouka(オウカ)」

古民家と菜園が迎える、隠れ家のベーカリー

金沢市東蚊爪町。市街地の喧騒を離れ、畑や田んぼが続く道を進むと、見えてくるのがのどかな菜園。梅雨の花と言われる「タチアオイ(立葵)」が咲き始め、古民家のたたずまいによく映えています。

菜園前に7台駐車可能です。

駐車場の左手にある、歴史の息吹をまとった趣ある佇まいの建物が「Boulangerie Ouka(ブランジェリー オウカ)」さん。

のどかな風景とやわらかく調和し、到着した瞬間からここが特別な場所だと感じさせてくれます。

入り口は右手にあり、毎月の定休日や営業時間は掲示板や立て看板に記してあるので分かりやすいです。

 

神棚と福助が出迎える、パンの香りと心安らぐ空間

引き戸をスライドさせて店内に入ると、厳かな空間が漂っており、外とはまた違った世界に入り込んだような気分になります。

店内へ足を踏み入れると、正面には神棚と福助が。古民家ならではの荘厳さと、焼きたてパンの芳醇な香りが混ざり合い、どこか神聖で温かい気持ちに包まれます。

右手にトングとトレーがあります。

その先の窓の外には手入れされた庭園が広がり、まるで時間がゆっくりと流れているかのよう。

物語の世界に迷い込んだかのような空間でのパン選び。

平日の午前中から絶えずお客さんが訪れ、お目当てのパンを抱えて帰る姿は、まさにこの店が地域に愛されている証拠です。

 

ハード系から惣菜パンまで。職人のこだわりが並ぶ個性豊かなラインナップ

ハード系から甘いパン、惣菜パンまで、多彩なパンがズラリと並びます。

手書きのプライスカードには店主のこだわりが記され、どれを選ぼうか思わず迷ってしまうほど。

さまざまなパンをたくさん購入しているお客様ばかりで、お店の人気ぶりがうかがえます。

特に注目は、フランス仕込みの製法で作られる「トラディショナル(フランスパン)」。

こちらは、1本とハーフサイズのものが売られており、好きな長さにカットしてくれるそう。
こちらも人気で、すでに残り2本になっていました。
1本1本に注がれた丁寧な手仕事が、パンの表情から伝わってきます。

 

ジャムやドリンクも充実、食卓にうれしいラインナップ

パンの美味しさをより一層引き立てるジャムも充実。
長野の「寿高原食品」の果実味豊かなジャムは、ぜひ一緒に手に入れたい1品です。

また、レトロなラベルが可愛い「らくのうマザーズ」さんのアップル100、「よつ葉」さんのミルク苺、ミルク珈琲、ミルク紅茶も。

そして、かわいいアクリルたわしも販売されていました。

パンだけでなく暮らしに寄り添う小物もあり、日常の楽しみを持ち帰れるような品ぞろえです。

 

香ばしさと満足感が魅力。ひとくちでわかる人気の理由

今回「Boulangerie Ouka」さんで購入したパンはこちら。
どれも美味しそうで迷ってしまいましたが、次々とパンをトレイに乗せていく他のお客さんたちの様子に触発され、私もついつい便乗してたくさん購入してしまいました。

●チーズ&ベーコン&ペッパー 346円(税込)

「これは美味い!!!」という店主の力強いメッセージ通り、迷わず選んだ1品。
噛みしめると外側はパリッと心地よい音が響き、中は驚くほど軽く、しっとりとしています。
中には角切りチーズがごろっと入っていて、とても濃厚。カリカリのベーコンとの組み合わせも抜群です。

●蒸し鶏と金ゴマごぼう 302円(税込)

シャキシャキとしたごぼうと、あっさり柔らかな蒸し鶏の相性は格別。
マヨネーズベースの和風な味付けは、まるで立派なおかずを食べているような満足感です。

●クリームぱん 248円(税込)
パン生地は柔らかくしっとり。濃厚な自家製カスタードは甘すぎず、後を引く美味しさです。

●上:イチジク&レーズン 173円(税込)
●下:クルミ 173円(税込)
「イチジク&レーズン」は、外はパリパリ、中はもっちりとした食感。
今回購入した中で最も噛み応えがありましたが、非常に食べやすいです。
白イチジクとレーズンの甘酸っぱさが口いっぱいに広がります。贅沢で上品な味わいでした。
「クルミ」は、ゴロゴロと入ったクルミのシンプルな味わいが楽しめます。

●金沢で一番おいしいアーモンドチョコメロン 281円(税込)

このネーミングに惹かれて購入。見た目通り、外側はカリカリ!細かいチョコチップと香ばしいアーモンドが、絶妙なアクセントを添えています。

●カカオ 356円(税込)

ビターなココア生地のパンは外はカリッと、中はふんわりとした食感。
中からとろけ出す濃厚なチョコに、ナッツの食感が重なり、満足度は抜群です。

●トラディッショナル 1本 367円(税込)/ハーフ 189円(税込)

「フランスで学んだ製法で作りました」とあれば、手に取らずにはいられません。
袋を開けた瞬間にパンの豊かな香りが広がります。
外はカリッと、中はふんわり。噛むほどに小麦の香ばしさと旨みが口の中で重なっていくようです。

【店主・河南さん直伝の食べ方】
 オリーブオイルを回しかけてフライパンで焼き、黒コショウを振るだけ。

これには驚きました!外側はめちゃくちゃパリパリに、中はより一層軽やかになります。
市販のフランスパンとは別物と言っていいほどの美味しさ。お手軽なのに満足度が高く、これからはこの食べ方が定番になりそうです。

 

フランス修行で学んだ、人生を謳歌するパン作り

「Boulangerie Ouka」店主の河南さんにお話を伺いました。

─ お店の名前「Ouka(オウカ)」の由来を教えてください。
「桜花」という言葉から名付けました。
人生は1度っきり。
だからこそ「桜のように美しく咲き誇る」そんな人生であってほしいという想いと、「人生を謳歌(オウカ)しましょう」というメッセージを込めています。

─ パン作りで大切にされていることは?
「美味しいものを作ること」「妥協しないこと」「丁寧な仕事をすること」。
そして「納得できないものは絶対に出さないこと」。これが私の基本です。
そう話す河南さんの表情は、とても晴れやかでした。

─ フランスへ修行に行こうと思ったきっかけは?
調理師学校卒業後にパン屋へ就職しましたが、どうしても本場のパン作りを肌で感じたかったからです。

─フランスと日本のパン作りの違いはありますか?
日本ではお米が主食ですが、フランスではバゲット(バタール)が主食です。
そのため作る量が桁違いでしたね。
当時働いていた店では1日3,000本ものバゲットを焼いていました。
夜中の12時から朝の7時まで、息つく間もなく成形し続けるような環境です。
ただ、あまりの忙しさにスピードを優先するあまり、雑に作られたパンが多いのも事実でした。
ですが、私は「スピードを保ちながらも、意地でも丁寧に作る」ことだけは譲りませんでした。
ある日、上司から「君の作るパンは丁寧で美しい」と認められた時は、本当に嬉しかったですね。

─人気のパンと、おすすめを教えてください。
1番人気は「クリームぱん」と「金沢で一番おいしいアーモンドチョコメロン」です。
個人的なイチオシは「蒸し鶏と金ゴマごぼう」ですね。

─ バゲットをより美味しく食べるコツはありますか?
バゲットにオリーブオイルをかけて、フライパンで焼く
焼きあがったら黒コショウを振ってみてください。それだけで驚くほど美味しくなりますよ。

河南さんはどの質問にも微笑みながら丁寧に答えてくださいました。
お話を聞いている間も、焼きたてのパンを次々と仕上げるために、河南さんの手は止まりません。
1つひとつの生地を成形するスピードの速さと、同時に成される丁寧な所作に、思わず見入ってしまいます。
フランスで磨き上げた確かな技術は、今もここで変わらず活かされているのだと実感しました。

 

わざわざ訪れたい、金沢の「パン」の聖地

平日でもパンを買い求めるお客さんが絶えない「Boulangerie Ouka」さん。
そのたたずまいは、なんと築150年以上というご実家をリノベーションして生まれ変わったものです。
しかも、設計は河南さんご自身が描いた立体図面をもとに、建築士の方と二人三脚で形にされたのだとか。
歴史ある建物を次世代へと受け継ぎ、フランスで磨いた技術と古き良き日本の風景を融合させる。
お店の隅々にまで新しい命を吹き込み、妥協なく日々を積み重ねるその姿こそ、店名に掲げた「人生を謳歌(オウカ)する」という店主の想いそのものだと感じました。

喧騒を離れた田園風景の中に、ひっそりと、しかし力強く息づく「本物」の味。
みなさんもぜひ1度、この場所でしか味わえないパンを体感しに訪れてみてはいかがでしょうか。

INFORMATION

店名:

Boulangerie Ouka(ブランジェリー オウカ)

住所:

石川県金沢市東蚊爪町チ18
(駐車場7台)

電話番号:

076-254-0015

営業時間:

10:00~17:00

定休日:

毎週月曜日、第3火曜日、第4日曜日

一人当たりの予算:

~¥1,000

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。

WRITTEN BY
みさき

みさき

ライター

はじめまして、みさきです。 金沢生まれ、金沢育ちで、現在は家事・育児に奮闘しながらフリーライターとして活動しています。 長年親しんできた金沢の街の移り変わりを眺める中で、新しく生まれるお店、そして長く愛され続けてきたお店それぞれに、その場所ならではの魅力があると感じてきました。 実際に足を運び、味わい、お店の方の想いや空気感も大切にしながら、 「行ってみたくなる」「応援したくなる」そんなお店との出会いをお届けできたらと思っています。